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火曜日, 9月 17, 2019

[Oracle OpenWorld 2019]Oracle Cloudに関する発表色々

現在サンフランシスコで開催されている「Oracle OpenWorld 2019」にて、Oracle Cloudに関する興味深い発表がいくつかありました。

1つ目
[速報]Oracle CloudがSQL ServerやWindows Serverをサポート。Azureとの相互接続も欧州とアジアへ拡大。Oracle OpenWorld 2019 Publickey 2019年9月17日

早ければ来年にも、日本国内でOracle CloudとAzureの相互接続が実現しそうです。先日東京で開催された「Modern Cloud Day Tokyo」でもこれに関して年内になにか発表できれば、という話だったので、正式に発表されるのも意外と近いかもしれません。

Oracle Cloudイベント『Modern Cloud Day Tokyo』が開催されていました  8月 12, 2019

2つ目
[速報]OracleとVMwareが提携。VMware環境でのOracleをサポート開始。「Oracle Cloud VMware Solution」も発表。Oracle OpenWorld 2019 Publickey 2019年9月17日

これはOracleがVMware環境上でのOracle Databaseの動作を正式サポートする、という発表と、Oracle Cloud上でVMware Cloud Foundationを利用したVMware環境を利用できるようにする、という2つの発表です。前者についてはまだサポートしてなかったのかよ!という話ですが、後者は興味深いですね。これでAWS、Azure、GCPに続き、Oracle Cloud環境でもVMwareを利用できるようになります。まだ正式にサービスを開始しているのはAWSくらいですが、このクラウド時代にこれだけ存在感を残しているVMwareは凄いと思います。自社クラウドを捨てた戦略が正しかったのかもしれません。VMware Cloud Foundationを利用したクラウド環境でのVMware利用については、別途記事にしようと思っています。(ずっと思っているけれど、出来ていない...)

3つ目
[速報]Oracle Cloudを期限なく無料で使える「Always Free」発表。1GBのVM2つ、Autonomous Database 2つなど提供。Oracle OpenWorld 2019 Publickey 2019年9月17日

仕事抜きにすると、これが一番興味深いかもしれません。無期限無料でVMが利用できるのはGCPくらいですが、それでも1台でメモリ600MB、ディスク30GBです。AWS,AzureについてはVMの無期限無料枠はありません。そこをメモリ1GBのサーバ2台まで、ディスクも合計100GBを無期限無料枠というのは大盤振る舞いと言えるのではないでしょうか。更に、他のクラウドでは永久無料枠にないRDB(20GB)も2つ利用できます。凄いですね!
ただ、Oracleなのでいつサービスを止めたり仕様を変えたりするかわからない、というリスクは伴います。細かい情報は分からないのですが、利用できるようになったとしても暫くは開発環境にでも使わせて頂ければ、という感じでしょうか。

4つ目
[速報]Oracle Autonomous Linuxリリース。ダウンタイムなしで自律的にパッチ適用、チューニング実行、RHELと100%互換など。Oracle OpenWorld 2019 Publickey 2019年9月17日

Oracleは以前からAutonomous Databaseで運用の自動化を謳っていましたが、今度はOSの運用自動化ツールを提供するようです。なんか凄い気はしますが、OSってユーザが色々弄れてしまうので、本当にどこまでできるのかな?というのが気になるところです。仕事で本番環境にすぐに利用する気は起きないですが、個人的には興味深いですね。コンテナが流行っている状況ではありますが、まだまだサーバOSをそのまま利用している環境はたくさんあります。こういった技術が広がると、サーバOSの位置づけ自体がまた変わるかもしれませんね。

木曜日, 8月 29, 2019

2019年8月23日に発生したAWS東京リージョンの大規模障害について

先週の金曜日(8月23日)にAWS東京リージョンで大規模な障害がありました。まあ、皆さん話題にしていますし、数多くニュースでも取り上げられているので今更感はありますが、忘れないようにこのブログでも触れておきたいと思います。

原因についてはAWSのレポートに纏められていますので、抜粋していきたいと思います。
東京リージョン (AP-NORTHEAST-1) で発生した Amazon EC2 と Amazon EBS の事象概要 AWS
日本時間 2019年8月23日 12:36 より、東京リージョン (AP-NORTHEAST-1) の単一のアベイラビリティゾーンで、オーバーヒートにより一定の割合の EC2 サーバの停止が発生しました。この結果、当該アベイラビリティゾーンの EC2 インスタンスへの影響及び EBS ボリュームのパフォーマンスの劣化が発生しました。このオーバーヒートは、影響を受けたアベイラビリティゾーン中の一部の冗長化された空調設備の管理システム障害が原因です。日本時間 15:21 に冷却装置は復旧し、室温が通常状態に戻り始めました。室温が通常状態に戻ったことで、影響を受けたインスタンスの電源が回復しました。日本時間 18:30 までに影響を受けた EC2 インスタンスと EBS ボリュームの大部分は回復しました。少数の EC2 インスタンスと EBS ボリュームは、電源の喪失と過大な熱量の影響を受けたハードウェアホスト上で動作していました。これらのインスタンスとボリュームの復旧には時間がかかり、一部につきましては基盤のハードウェアの障害によりリタイアが必要でした。 
私に近い環境(変な表現ですが)で障害に気付き出したのは13時半近くだったと記憶しているのですが、障害はその1時間前から発生していたようです。しかし、冷却システムの障害ってまあ聞かないことはないのですが、あまりデータセンタで発生しているのに遭遇したことはないんですよね。電源装置障害はありますが。。。
あくまで推測ですが、超大手のクラウド環境だと冷却システムも高度化していて、逆に障害が発生しやすいのかもしれません。普通のハウジング環境とかだと、単純に冷やしているだけですもんね。

さて、この25日に出たレポートは最後の方でこう締めくくられています。
この度の事象発生時、異なるアベイラビリティゾーンの EC2 インスタンスや EBS ボリュームへの影響はございませんでした。複数のアベイラビリティゾーンでアプリケーションを稼働させていたお客様は、事象発生中も可用性を確保できている状況でした。アプリケーションで最大の可用性を必要とされるお客様には、この複数アベイラビリティゾーンのアーキテクチャに則ってアプリケーションを稼働させることを引き続き推奨します(お客様にとって高可用性に課題を生じ得る全てのアプリケーションのコンポーネントは、この耐障害性を実現する方法の下で稼働させることを強く推奨します)。
これがちょっと違うんじゃない?ということで、色々なところで話題になっていました。ALBを使ってマルチAZ構成にしている環境とか、マルチAZ構成のRDSでも正常に動作しなくなり、長時間復旧できない状態が続いた環境があったからです。つまり、今回の障害はAWS推奨のマルチAZ構成でも可用性を担保できなかったのに、単一AZ障害だったからマルチAZにすれば大丈夫、というレポートはおかしくない?ということです。

それを受けてかは分かりませんが、28日にレポートが更新されます。
2019年8月28日(日本時間)更新:
最初の事象概要で言及した通り、今回のイベントは、東京リージョンの1つのアベイラビリティゾーン(AZ)の一部に影響を与えました。この影響は当該 AZ の Amazon EC2 および Amazon EBS のリソースに対するものですが、基盤としている EC2 インスタンスが影響を受けた場合には、当該 AZ の他のサービス(RDS、 Redshift、 ElastiCache および Workspaces 等)にも影響がありました。お客様と今回のイベントの調査をさらに進めたところ、 個別のケースのいくつかで、複数のアベイラビリティゾーンで稼働していたお客様のアプリケーションにも、予期せぬ影響(例えば、 Application Load Balancer を AWS Web Application Firewall やスティッキーセッションと組み合わせてご利用しているお客様の一部で、想定されるより高い割合でリクエストが Internal Server Error を返す)があったことを AWS では確認しております。AWS では、個別の問題についての詳細な情報を、影響を受けたお客様に直接、共有を行う予定です。
マルチAZ構成でもダメだった環境もあるよ、ということを正式に認めるレポートに変わりました。しかし、マルチAZ構成でも影響を受けたユーザについては個別対応するといった内容になっているため、その他のユーザには詳細はAWSからは公表しないようです。取り敢えず、現時点ではですが。

とは言いつつ、これほど大きな影響が出た障害ですし、シェアを1番持っているサービスなわけですから、今後更なる障害についての情報はどこからか出てくると思います。そして、そのうちAWSから正式に今回の障害を踏まえてのサービス改修や、可用性設計に関するベストプラクティスが出てくるでしょう。それをまた、(言い方は悪いですが)信者たちが喝采するのです。
例えばマイクロソフトがAzureで同じ障害を起こすとそんな味方は出てこないと思うので、このAWS特有のユーザ文化については個人的になんとも言えない気持ちになります。が、AWSは大規模な障害が発生してもそうやって成長してきたので、これがAWSという文化圏なんだ、という理解をしています。それはまあ、それでありなんでしょうね。

なんにせよ、今回障害に遭われた方、AWSの中の方々、お疲れさまでした。
因みに私は障害当日、AWS利用のお客様ではなく、全然違うIaaSを利用されているお客様から「今回のAWS障害を踏まえてどうすれば良いですか?」という質問を頂き、回答にかなり頭を悩ませたことだけ付け加えておきます。「障害発生は完全になくすことはできないので、システムが利用できない場合のオペレーション(コンティンジェンシープラン)を事前にしっかり決めておく、ということは必ず必要ですよね。」といったニュアンスのことを、個別の事情を加味して回答しておきました。。。

関連ニュース
AWS障害、“マルチAZ”なら大丈夫だったのか? インフラエンジニアたちはどう捉えたか、生の声で分かった「実情」  ITmedia 2019年08月28日
AWS障害、複数のアベイラビリティゾーン利用でも影響 AWSが説明を修正 ITmedia 2019年08月29日

月曜日, 8月 12, 2019

Oracle Cloudイベント『Modern Cloud Day Tokyo』が開催されていました

日本オラクル主催のOracle Cloudイベント『Modern Cloud Day Tokyo』が8月6日、7日に開催されていました。私も基調講演等々聞きに行く予定だったのですが、大変残念ながら仕事の都合で参加できなかったんですよね。。。ただ、多少報道されたのと、当日の資料が一部公開されましたので、その内容を踏まえて少しご紹介しておこうと思います。

当日の資料は以下のサイトで公開されています。
Modern Cloud Day Tokyo

今回のイベントでは5月に開設したOracle Cloud東京リージョンを踏まえて、改めてその紹介、他社(AWS,Azureなど)との比較、先行ユーザの取り組みの紹介、といった内容が中心になっていたようです。サービスの紹介はやはり、Oracle Cloud一番の売りであるAutonomous DB関連が多く、後はその他データ分析やAI,チャットボット、そしてネットワーク周りが多い気がします。個人的にはIaaS(VM)の情報が欲しかったのですが、これに関しては価格比較くらいしかないですね。VMのバックアップベストプラクティスや、ロードバランサ周りなどは、改めて紹介するまでもない、もしくは他のサービスと比べて劣るから紹介しない、といった判断でしょうか?

もう一つ、今回のイベントで注目すべき内容がありました。これは、先日発表されたAzureとOracle Cloudとの連携に関する内容です。

このブログでも、発表時に取り上げました。
マイクロソフト、オラクルがMicrosoft AzureとOracle Cloudの相互接続サービスを発表 6月15日

6月に米国で発表して8月なので、今回のイベントでは多少触れるくらいかな、と考えていましたが、注目度が集まると踏んでかそれなりに言及されていたようです。

Oracle Cloud、日本市場攻略の鍵は「データドリブン」と語る TECH.ASCII.jp 2019年08月07日
 今年6月に米国で発表された、Oracle CloudとMicrosoft Azureの提携についても話が及んだ。 
 両社ではデータセンター間の相互接続(現在は北米地域のみ)のほか、両クラウドにおけるActive DirecrotyベースのID連携(シングルサインオン化)、Oracle Cloud上のOracle DBとAzure上のアプリケーションを組み合わせたシステムのサポートなどを推進する。サザーランド氏は、両社によるこの取り組みは「顧客ドリブン、マーケットドリブン」の動きだと説明した。 
 「顧客によっては、アプリケーションをマイクロソフト環境で開発し、それがODBC経由でOracle DBにつながっているというケースもある。それらが現在、AzureやOracle Cloudに移行しつつある。それならば、われわれがそうした動きに対応するのは自然の流れだ」(サザーランド氏)

 またオーバーマイヤー氏は、クラウドベンダー間のパートナーシップは「業界にとっても大切なこと」だと述べ、マイクロソフトとのパートナーシップも「まだ始まりにすぎない。両社の顧客であるエンタープライズのニーズにより最適化していく」方針だと説明した。 
 なお両社のデータセンター間相互接続は、現在のところ北米地域(Oracle Cloudのバージニア州アッシュバーン・データセンターとAzure US East)のみで実現している。オーバーマイヤー氏は、意味のあるかたちで相互接続を行うためにはデータセンター間の通信遅延が小さい、つまり物理的距離が近い必要があり、まずはその要件を満たす北米でスタートしたと説明した。この取り組みは今後グローバルに展開していく計画で、日本においても年内には何らかのアナウンスをしたいと考えているが、検討事項も残っているため「現時点で具体的に確約できることはない」としている。
まあ、どうなるか分かりませんが、年内あたりに発表があることを期待し、待ちましょう。ちなみに、講演資料にも多少記述がありました。
オラクルクラウド移行を完了したゲストに聞くOracle Cloudを選択する理由&次世代インフラ/データベースクラウド最新情報

AzureとOracle Cloudの接続ですが、それぞれの閉域接続サービスを使って接続するという形になるようです。(ExpressRoute、FastConnect)
クラウド管理ポータルからの操作だけで接続できるようになれば、便利ですね!後は遅延がどの程度になるかが気になるところです。

Oracle Cloudに関しては次の2年くらい、つまり20年から21年中頃までにどこまでシェアを拡大できるかが、ポイントになるでしょうね。ただ、Oracle Cloudはデータベース関連の技術以外は特段新しいものがない気がします。価格が安い、という理由だけでシェアを取ると、どこかのタイミングでAWSなどがガッツリ対抗値下げをしてくる気がします。そう考えると、オラクルにとっては主導権を握れない難しい戦いを強いられることになりそうです。

競争があってコストが下がるのは、それはそれでユーザとしてはありがたい話なのですよね。でも、負けたほうが撤退や新規機能への投資をやめてしまうというのは、ユーザにとっては大きなリスクです。そう考えると、やはりクラウドサービスは強いものにユーザが集まり、強いものがますます強くなって行くのではないでしょうか。

日曜日, 7月 14, 2019

日本政府共通プラットフォームにAWSを採用との報道

日本政府の共通プラットフォームにAWSが採用されると報道されています。
[独自記事]政府が共通プラットフォームにAWSを採用へ、来秋稼働 日経 xTECH 2019/07/12
 政府は2020年10月に運用を開始する予定の「政府共通プラットフォーム」に米アマゾン・ウェブ・サービスのクラウドサービス「Amazon Web Services(AWS)」を採用する方針であることが分かった。日経 xTECHの取材に複数の政府関係者が明らかにした。
 政府共通プラットフォームは政府情報システムのプライベートクラウド基盤である。政府は民間クラウドサービスの利用を前提に次期基盤となる「第二期整備計画」を進めており、現行の政府共通プラットフォームに比べて5割超の運用コスト削減を目指す。 
 政府は2018年度から政府共通プラットフォームの整備に向けた入札を実施し、このうち設計・開発などの請負業務の一般競争入札について、アクセンチュアが19年5月に4億7520万円で落札して受託契約を結んだ。政府関係者によると、アクセンチュアはAWSの利用を前提に設計・開発を進めている。
 これまで自治体などの行政機関が個別にAWSなどのクラウドサービスを利用する事例はあったが、政府がAWSを大規模に採用するのは初めてと見られる。
現行の政府共通プラットフォームは2013年から稼働していますから、7年ちょっとで次世代に交代となりますね。元々クラウド化していくと宣言していたので、まあそうなりますよね、くらいの感想ですが、AzureではなくAWSか、という気もします。きっとマイクロソフトのハイタッチも頑張ったんでしょうけどね。今回はAWSに軍配が上がったようです。

米国のみならず国内も政府系システムがメジャークラウドに行く流れですから、まずます民間もメジャークラウドに流れていきそうです。国産クラウドはますます苦しい状況になりそうですね。もう少ししたら、統廃合が進むようになるかもしれません。次の2,3年でまたプラットフォームとしてのクラウドの状況が変化しそうです。目が話せませんね。

土曜日, 6月 15, 2019

マイクロソフト、オラクルがMicrosoft AzureとOracle Cloudの相互接続サービスを発表

先週のニュースですが、マイクロソフトとオラクルがMicrosoft AzureとOracle Cloudを相互に接続して利用できるようにすると発表しました。

マイクロソフトとオラクル Microsoft Azure と Oracle Cloud の相互接続を発表 日本マイクロソフトJapan News Center 2019年6月10日
Microsoft and Oracle to Interconnect Microsoft Azure and Oracle Cloud Oracle Jun 5, 2019

まずは米国(Azureで言うところのUS Eastリージョン)からサービスがスタートし、その後、他のリージョンにも広げていく計画のようです。
両社はクラウドの相互接続に関連して、次の協業を明らかにした。 
  • AzureとOracle Cloudにまたがる統合的なアイデンティティ/アクセス管理(IAM)。これにより、シングルサインオンと、ユーザープロビジョニングの自動化が図れるという。また、Oracleのアプリケーションが、AzureのActive Directoryをアイデンティティプロバイダーとして利用できる機能を、早期プレビューとして提供開始したという。 
  • Oracle Cloudで動作するOracleのデータベース(RAC、Exadata、Autonomous Database)と、Azure上で動くカスタムアプリケーションあるいはOracleのパッケージアプリケーション(JD Edwards EnterpriseOne、E-Business Suite、PeopleSoft、Oracle Retail、Hyperion)の組み合わせに対するサポートの提供。これらのOracleアプリケーションは、Oracle Cloud上のOracleデータベースとの組み合わせを前提としたAzure上での動作について、Azure側から認証されることになるという。
MicrosoftとOracle、AzureとOracle Cloudを相互接続 @IT 2019年06月06日

ということなので、WEB/APサーバ、もしくはAppServiceなどで構築したフロントはAzureに配置、データベースはOracle Cloud内の各DBaaSを利用するという構成がサポートありで作れるようになるわけです。これは一定のニーズがあると思います。相互接続がどのくらいのネットワークになるのか、特にレイテンシーがどうなるかが気になるところではありますが、まずは米国での展開の状況を見つつ、情報収集をしたいと思います。

Oracle Cloudについてはこのブログでも何度か取り上げています。
クラウド環境でOracle Databaseを利用するには
2018-19年クラウド動向所感まとめ
Oracle Cloud日本リージョン開設!&Oracle社に対する不満

Oracle Cloudは他のメジャークラウドと比較するとOracle Databaseくらいしか強みがなかったので、このAzureとの提携は良い判断だとは思います。Oracle側から見るとデータベースも後からAzure側に持っていかれるリスクもあるわけです。しかし、プラットフォームとしてのクラウドについては勝負がつきつつあるので、手遅れになる前に決断をしたのでしょうね。この辺り、米国の企業は凄いですよね。日本企業だとまだ現状維持で行けると判断し、対応を始めた頃には手遅れになっていることが多い気がします。

一方でマイクロソフトは最近自社のサービスのみに囚われないで、サービスの拡充を進めています。
Microsoft、Azure環境上でVMware基盤を構築できる「Azure VMware Solutions」を発表!
今回のOracle Cloudとの提携もその一環でしょう。

Oracleにしてもマイクロソフトにしても、シャアトップのAWSへの対抗策としての提携、という側面も大きいと思います。シェアトップのAWSに2位のマイクロソフトがどこまで追いつけるのか、そこにどれだけOracleが関われるのかというのが今後のクラウドプラットフォームレースの注目ポイントですね。

1点懸念としては、こうなってくるとOracleがOracle CloudのIaaS部分の開発に力を入れなくなると考えられます。(そういうところも決断が早いので。)そのため、日本でも早めに相互接続を実現して欲しいですね!

土曜日, 9月 01, 2018

クラウド環境でOracle Databaseを利用するには

以前、一度IaaS環境でのOracle利用について纏めました。
【クラウドサービス動向その3】IaaS環境上でOracleを利用するには 2016年10月24日

それからかなり時間も立ったので、再度最新の状況について整理しておきたいと思います。

まず前提として、Oracle Database(以下、Oracle)を冗長化された仮想環境で利用することはなかなかハードルが高いです。というのも、Oracleのライセンスカウントは基本的に物理プロセッサにかかるため、冗長化された仮想環境の場合、Oracleがインストールされている仮想マシンが稼働する可能性のある全ての仮想ホスト(物理サーバ/プロセッサ)に対してライセンスの購入が必要になります。

サーバー仮想化ソフトウェア( Oracle VM 、VMware、Hyper-Vなど)を使用した場合のライセンスカウントはどのようになりますか? 日本オラクル 製品価格/ライセンス情報 FAQ
Q.サーバー仮想化ソフトウェア( Oracle VM 、VMware、Hyper-Vなど)を使用した場合のライセンスカウントはどのようになりますか? 
A.VMware、Hyper-VなどはSoft Partitioningの分類となり、Oracle製品がインストールされる(又は稼働する)物理サーバーに搭載されている全ての物理プロセッサがライセンスカウントの対象となります。
※Oracle製品がインストールされる(又は稼働する)仮想マシン(VM)の数は、必要ライセンス数には関係ありません。
 この稼働する可能性のある仮想ホストというのが厄介です。例えば、5台の仮想ホストがそれぞれ2プロセッサ搭載しているとします。この仮想ホスト5台でクラスタを組んだ場合、1台でもOracleをインストールした仮想マシンが配置されると、5台✕2プロセッサ分のライセンスを購入する必要があります。これはSE2の場合で、EEだとコア数で計算するので更に高額になります。ただ、これはまあ分かります。(納得はいきませんが)

では、このOracleライセンス問題があるので、仮想ホスト5台ではなく2台と3台でクラスタ構成にし、仮想ホスト2台の方でOracle仮想マシンを稼働させた場合はどうでしょうか?この場合、2台✕2プロセッサライセンスで良い気がしますよね?ところがどっこい、例えばこの仮想ホスト5台が1セットのストレージで接続されていたりすると、HA以外の方法、例えばVMwareの場合はStorage vmotion等々で移動することできるよね、ということでやはり5台✕2プロセッサ分必要になるのです。ただ、これはOracle側の承認のさじ加減もかなりあるのですが、正直最近はとても厳しいです。段々と主流になりつつあるHCIなどは更に構成が1つとして見なされる可能性が高いと思われます。

ということで、そもそも冗長化された仮想環境でOracleを利用することが難しくなっています。なお、このルールはSoft Partitioning(VMware、Hyper-Vなど)に適用され、、Hard Partitionin(Oracle VM Server、SAN Boot構成など)には適用されません。
Oracle社の俺様ルールな気もしますが、そうなっています。

Soft PartitioningとHard Partitioningの違いは以下の資料をご参照下さい。
Oracle Partitioning Policy

ここまでの説明で、冗長化された仮想基盤の塊であるクラウド環境でOracleを利用することのハードルの高さをご理解頂けたのではないでしょうか。では、ここから本題のクラウド環境でOracleを利用する方法を纏めていきます。
なお、ここで記載している事項は2018年9月1日現在の内容となります。特にライセンスの考え方については変わることがあるので、必ず購入元にご確認をお願いします。

1.Oracleが承認したクラウド環境(AWS、Azure)を利用する

クラウドに関わっている方であればご存知かとは思いますが、超メジャークラウドであるAWSとAzureについてはOracleを仮想マシン上で利用することが可能です。AWSに至っては、DBのマネージドサービスであるRDSでOracleも提供しています。
なぜこの2つのクラウドがOracleを利用することが出来るのかというと、Oracle社が認めているからです。

クラウド・コンピューティング環境における Oracle ソフトウェアのライセンス Oracle
本資料は、以下のベンダーが提供するクラウド・コンピューティング環境に適用されます:
Amazon Web Services  Amazon Elastic Compute Cloud (EC2), Amazon Relational Database Service (RDS)
Microsoft Azure Platform
(以下、これらを「承認されたクラウド環境」と表記します)
本ポリシーは、これらのOracle製品プログラムに適用されます。
承認されたクラウド環境におけるOracleプログラムのライセンス許諾の際には、以下のようにカウントする必要があります。
  •  Amazon EC2 and RDS  ハイパースレッディングが有効の場合 2 vCPU = 1 Processor,ハイパースレッディングが無効の場合 1 vCPU = 1 Processor
  • Microsoft Azure  ハイパースレッディングが有効の場合 2 vCPU = 1 Processor,ハイパースレッディングが無効の場合 1 vCPU = 1 Processor
なお、承認されたクラウド環境において Oracle Processor ライセンスをカウントする場合、Oracle Processor Core Factor Table は適用されません。 
製品名称にStandard Edition One、Standard Edition 2もしくはStandard Editionが付くプログラムが許諾される場合、インスタンスのサイズに基づく価格設定がなされます。承認されたクラウド環境のインスタンスが4 Amazon vCPU以下の場合、もしくは、4 Azure vCPU以下の場合は、1ソケット、すなわち1 Processorとしてカウントされます。承認されたクラウド環境のインスタンスが4 Amazon vCPUもしくは4 Azure vCPUを超える場合は、Amazon vCPU数もしくはAzure vCPU数を4で割り、小数点以下を切上げてソケット数を計算します。
ハイパースレッディングが有効かどうかは、仮想マシンのインスタンスタイプによって異なりますので、確認が必要です。例えば、Azureの場合はDSv2までは無効でしたが、DSv3からハイパースレッディングが有効になりました。

このようにAWS、Azure環境上ではOracleを利用することが可能です。ライセンスの数え方が変わったり、AzureのOracleライセンス込みのイメージが急遽停止になったりなど色々騒ぎになったこともありましたが、現在はこの様になっています。ただ、RACなど一部の機能は利用できないため、大規模なOracle環境、高可用性が必要なOracle環境を動かすのはあまりオススメしません。

2.Oracle Cloudを利用する

Oracle社としての大本命は、Oracle社のクラウドサービスであるOracle Cloud環境でOracleを利用してもらうことでしょう。Oracle Cloud環境ではIaaS上でも勿論Oracleライセンスを持ち込み利用することができますし、Oracleのマネージドサービス(DBaaS)を利用することも可能です。Oracle CloudのDBaaSであるDatabase Cloud Serviceでは、なんとRAC構成も組むことができます(割高ですが)。更に以前このブログでも取り上げましたが、Autonomous Database Cloudという自動化されたOracleも提供されています。

【クラウドサービス動向その5】Oracle Innovation Summit Tokyo 2018に行ってきました①

Oracle Cloudで提供されるDBaaSであれば信頼性もパフォーマンスもでそうなので、大きなDBも動かせると思われます。(まだ大きい構成は触っていないので、思われますという表現ですが。。。)これまでは日本国内では富士通環境で提供されている第1世代のOracle Cloudだけしか利用できませんでしたが、近々Oracle社が提供する第2世代が利用できるリージョンが国内でオープンします。そうなると、Oracleを多く利用しているユーザのクラウド化の向き先が変わるかもしれません。

少し余談ですが、Oracle Cloud IaaS環境でのOracleライセンスの数え方はAWS、Azureとは変わります。

Oracle Processor Core Factor Table 補足資料 Oracle

Oracle Cloud 上で稼働する Oracle ライセンスについて:
Oracle Cloud 上に永久ライセンス、もしくは期限付きライセンスを持ち込み、インストールする場合
例: Oracle Java Cloud Service 上にインストール/稼働する Oracle SOA Suite for Oracle Middleware ライセンス(Oracle Cloud ドキュメント上で認定されたプログラムリスト参照)
Oracle Cloud 上での使用を満たす数量の契約ライセンスが必要です。
具体的には、Processor ライセンスは以下の比率で Oracle Cloud に持ち込むことが可能です。
- 1 Processor ライセンスあたり 2 OCPU 上で当該プログラム使用可能 (1 Processor:2 OCPU)Named User Plus(NUP) ライセンスを Oracle Cloud に持ち込む場合、Cloud でプログラムを使用するために十分な数の NUPライセンスが必要です。つまり、実際のユーザー数か、Processor ごとの最少ユーザー数の、どちらか多い方の数量の NUP ライセンスが必要です。
- 1 Processor あたりの最少ユーザー数が 25 のプログラムの場合、2 OCPU ごとに 25 NUP ライセンスが必要
- 1 Processor あたりの最少ユーザー数が 10 のプログラムの場合、2 OCPU ごとに 10 NUP ライセンスが必要 
契約ライセンス名称に Standard Edition One, Standard Edition 2、もしくは、Standard Edition が含まれる場合(WebCenter Enterprise Capture Standard Edition、Java SE Support, Java SE Advanced、Java SE Suite 各製品を除く) 、 Oracle Compute Units(OCPU)上におけるライセンスは以下比率が適用されます。
- Processor ライセンスはソケットとしてカウントしているとみなし、1 Processor ライセンスあたり 4 OCPU 上で当該プログラム使用可能(1 Processor: 4 OCPU)
1 Sever あたりの最少ユーザー数が 10 NUP ライセンスである Standard Edition 2 の NUP 最少ユーザー数については、a) 実際に使用しているユーザー数 b) 8 OCPU ごとに最少ユーザー数 10 NUP ライセンス のどちらか多い方の数量の NUPライセンスが必要です。また、インスタンスが 8 OCPU を下回る場合も、最少ユーザー数は 10 NUP が必要です。
1OCPU=2vCPU(ハイパースレッディング有効)なので、AWS、Azureの半額ということになりますね。なんかずるい気もしますが、各社自分たちの強みを生かして自社クラウドへの囲い込みを行っている流れなので、仕方がないのかもしれません。

3.Oracle部分だけハウジング、もしくはホスティングにする

最後の方法としてはOracle部分はクラウドではなく、データセンタに置いておく、という作戦です。クラウド環境でOracleを利用するには、というタイトルと反する方法な気もしますが、これはこれで有効な方法です。というのも、国産クラウドの多くはクラウド環境を提供しているデータセンタでハウジングやホスティングも提供しており、構内接続をすることで容易にハイブリッドクラウド環境を利用できるようにしています。勿論、AWS、Azureも専用線接続サービスを提供しているので、ネットワーク通信費用を度外視すればこれらのサービスとの組み合わせでも実現可能です。

Oracle Cloudで大きなDBを構築できるとご紹介したものの、だ新しいサービスであるため、高可用性や高信頼性が求められる環境をいきなり実績のないサービスに移行できるのか、という課題があります。その場合、一旦DBに関しては従来型の物理Oracleでというのも検討する価値はあるかと思います。

ちなみに、Oracleを持ち込むことができないGoogle Cloud Platform(GCP)ですが、アクセンチュアのOracleサービスにGCP環境を接続させることで、Oracleが利用できるようになるよ、というサービスを始めます。これも似た考え方ですよね。

GCPでOracleが実行可能に、Googleが発表した「3つのハイブリッドクラウド」 TECH.ASCII.jp 2018年08月06日

最後になりますが、Oracleがある環境のクラウド化を進める一番わかり易い方法はOracleをやめる、ということなのかもしれません。Oracleは高コストですし、ライセンスの考え方が変わるリスクもありますからね。しかし、DBを変えるのはかなり大変な作業です。特にOracleの場合はたくさんのストアドプロシージャが組み込まれていたりして、簡単に変えられないことも多いかと思います。また、Oracleを利用する前提のパッケージもたくさんあります。そんな環境でも、ぜひクラウドのメリットを享受するため、クラウド化を勧めて頂ければと思いますし、この記事が少しでも参考になれば嬉しいです。

日曜日, 7月 29, 2018

【クラウドサービス動向その6】Oracle Innovation Summit Tokyo 2018に行ってきました②

Oracle Innovation Summit Tokyo 2018に参加した所感を纏めておきます。

1.Oracle Autonomous Database Cloud
Oracleの最大の強みであり、最も力を入れているOracle Database、そのある意味究極の姿がOracle Autonomous Database Cloudなのかもしれません。まだ、Oracle Database In-Memoryに対応していないなど、機能が不足している部分はありますが、中級DBA程度の自動チューニングというのはなかなか魅力的だと思います。
Oracle Database CloudでRAC構成を取る場合、Extreme Performanceを選択する必要があります。これが結構高くて(月額150千円~)、正直オンプレで構成を組んだほうが全然安いんですよね。でも、Autonomous Database Cloudはそれよりか少し高いくらい(月額168千円~)で利用できるので、AutonomousのAutonomousっぷり次第ですが、お金をかけられるシステムであれば、価値を見出すことはできるかなとは思います。
パッチのオンラインでの自動適用については勝手に当たることがリスクと捉えることもできますが、今の時代適用しないことも大きなリスクなので、どう考えるかですよね。まあ、自分は当てたほうが良いと思う派です。本当にミッションクリティカルな環境を取り扱っている方々には悩ましい問題かとは思いますが。。。

上記で書いたことと逆のことを今度は書きますが、Oracle Databaseを利用しているのは予算をたくさん使えるシステムだけではありません。自分はコストを抑えられるStandard Editionの環境(月額24千円~)に関わることが多いのですが、そういったところにAutonomous技術の恩恵が受けれないのは残念な気もします。例えばどの程度やってくれるのかわかりませんが、Azure Database Serviceも自動チューニング機能がありますし、今後自律機能は商用Database、クラウドDatabase Serviceにとって当たり前の機能になっていく気がします。今後、Oracle Database Cloud Service自体がどうなっていくのか、気になるとことです。

2.Enterprise Cloud
Enterprise Cloudといっても、NTTコムのクラウドサービスのことではありません。企業向けのクラウド、という意味合いです。
今回参加したセッションの中で「我々はエンタープライズを知っている。エンタープライズに対応できるクラウドを提供できるのは我々だけだ。」というメッセージが何度か出てきました。これはまあ、AWSやGCPを意識しての発言ですね。
Oracleは実際、長く企業の基幹システムで利用されてきましたし、実際オンプレ環境で多くのOracle Databaseが稼働しています。なので、エンタープライズを知っているというのは、その通りでしょう。
実際Oracle Cloudは企業向け工夫を幾つかしています。例えば、月額定額の課金体系を用意していたり、ディスクもIOPSについては課金されなかったり、インターネット向けのネットワーク通信も10TB/月間まで無料です。まあ、日本企業の商習慣もあっている良い作戦だと思います。
でもこれって、国内クラウドがAWS、Azure、GCPに対抗するためにやっていることと、全く同じなんですよね。Oracle Cloudの国内リージョンが開設されたとき(近々開設されると思いますが)、国内クラウド陣営はより一層厳しい戦いを強いられるようになると思います。

3.富士通の存在
今回びっくりしたのは、全く富士通の存在感がなかったことです。一応スポンサーにはなっているんですけどね。富士通は富士通センター内にOracle Cloud環境を用意し、既にサービス提供を行っています。

国内データセンターからオラクルのパブリッククラウドサービスを提供開始、エンタープライズ・システムのクラウド化を推進 2017年4月20日 富士通株式会社

その後、2018年2月14日にOracleは独自に国内リージョンを開設すると発表しました。

 Oracle Cloudは、2016年から富士通の国内データセンターからも提供されてきた。新設データセンターと富士通データセンターそれぞれの位置付けについてオーバーマイヤー氏は、「新設データセンターは日本市場の顧客からの期待に応え開設するもの」と繰り返したうえで、「今後も(富士通と)協力しながら両立していくことは間違いない」と語った。

「Oracle Cloud」日本国内へのデータセンター新設計画を発表 2018年02月15日 ASCII.jp

Oracleのパートナーは富士通以外にもたくさん存在するわけで、Oracleのクラウド拡大戦略を考慮すれば独自国内リージョン開設は当然の流れではあります。今後富士通センターのOracle Cloudの位置付けがどうなるのか気になるところですが、まだ決まっていない、といったところでしょうか。富士通自身もクラウド全体の見直しを行ったばかりですし、まだまだ検討中なのかもしれません。
でも流石にOracle Cloud国内リージョン開設までには発表されると思いますので、動向に引き続き注目しておきたいと思います。

土曜日, 7月 28, 2018

【クラウドサービス動向その5】Oracle Innovation Summit Tokyo 2018に行ってきました①

久しぶりの投稿です。

最近はクラウド関連の仕事しかしていないのですが、その関連?ということで「Oracle Innovation Summit Tokyo 2018」に行ってきました。Oracle Cloudとはなっていませんが、基本的にOracle Cloudについてのイベントとなっていました。

Oracle Innovation Summit Tokyo 2018

基調講演を聞いたので、ちょっと纏めておきます。

【シッダールタ・アガルワル氏】
ちょっと言いにくい名前のアガルワル氏はOracle Cloud全体の話をしてくれました。特にAutonomous関連の話が多かったですが、チャットボットなども簡単に作れるよ、というデモがありました。デモはチャットボットの動作です。
どこまでOracle Cloudの機能でどの程度作り込みが必要なのかが分からなかったので、なんとも言えませんが、自分がイメージしているOracleっぽくないサービスの紹介だったので、面白かったですね。あとデモは英語だったので、日本語対応などはどうなるのでしょうか。
あとはAutonomousの話で、レガシーシステムをRPAを入れて自動化に組み込んだという海外事例の話がありました。Oracleの言っているAutonomousはクラウドサービスだけでなくて、ビジネスプロセス全体の自動化だよ、ということですよね。

【マリア・コルガン氏】
コルガン氏はひたすらAutonomous Database Cloudの話でした。まあ、Oracleの一番の売りですし、今回はこの話が聞きたかったので参加したみたいなところもあります。
AWS、Azure、なぜかMariaDB、PostgreSQLまで持ち出して、他のサービスとの優位性を話していました。こうやって躊躇なく競合他社と比較してくるのがOracleっぽいですよね。

【ローレント・ジル氏】
ジル氏は5ヶ月前にOracleに起業した会社を買収され、Oracleに参加したそうです。ジル氏の話はすべてOracle Cloud Infrastructure(OCI)に関連するものでした。AWSもAzureもGCPも良いものだからどうぞ使ってください、でもOracle Cloudも良いので使ってみてください。という自分的にはOracleらしからぬスタンスのセッションだったという印象です。スーツではなく、Tシャツでしたし。話の半分が既に国内に存在しているEdge Servicesについてでしたが、OCI自体もVery Very Very Soonに国内で提供されるとのことです。
実際にパフォーマンステスト結果などのスライドもありましたが、日本リージョンでのテスト結果とのことでしたので、まあ年内とかに開設されるんでしょう。

午後のセッションもいくつか聞いてきました。Oracleと繋がりの強いSIerは既に色々検証しているようで、その率直な感想が面白かったです。第一世代は酷かったよとか。使ってるんだけど(笑)
あとはNTTデータ先端技術のセッションは色々面白かったですね。AWSから人材を引き抜いているから、AWSのデザインパターンが適用できるという話もためになりました。

ちょっと長くなったので、一旦ここまでで区切っておきます。