日本オラクル主催のOracle Cloudイベント『Modern Cloud Day Tokyo』が8月6日、7日に開催されていました。私も基調講演等々聞きに行く予定だったのですが、大変残念ながら仕事の都合で参加できなかったんですよね。。。ただ、多少報道されたのと、当日の資料が一部公開されましたので、その内容を踏まえて少しご紹介しておこうと思います。
当日の資料は以下のサイトで公開されています。
Modern Cloud Day Tokyo
今回のイベントでは5月に開設したOracle Cloud東京リージョンを踏まえて、改めてその紹介、他社(AWS,Azureなど)との比較、先行ユーザの取り組みの紹介、といった内容が中心になっていたようです。サービスの紹介はやはり、Oracle Cloud一番の売りであるAutonomous DB関連が多く、後はその他データ分析やAI,チャットボット、そしてネットワーク周りが多い気がします。個人的にはIaaS(VM)の情報が欲しかったのですが、これに関しては価格比較くらいしかないですね。VMのバックアップベストプラクティスや、ロードバランサ周りなどは、改めて紹介するまでもない、もしくは他のサービスと比べて劣るから紹介しない、といった判断でしょうか?
もう一つ、今回のイベントで注目すべき内容がありました。これは、先日発表されたAzureとOracle Cloudとの連携に関する内容です。
このブログでも、発表時に取り上げました。
マイクロソフト、オラクルがMicrosoft AzureとOracle Cloudの相互接続サービスを発表 6月15日
6月に米国で発表して8月なので、今回のイベントでは多少触れるくらいかな、と考えていましたが、注目度が集まると踏んでかそれなりに言及されていたようです。
Oracle Cloud、日本市場攻略の鍵は「データドリブン」と語る TECH.ASCII.jp 2019年08月07日
今年6月に米国で発表された、Oracle CloudとMicrosoft Azureの提携についても話が及んだ。
両社ではデータセンター間の相互接続(現在は北米地域のみ)のほか、両クラウドにおけるActive DirecrotyベースのID連携(シングルサインオン化)、Oracle Cloud上のOracle DBとAzure上のアプリケーションを組み合わせたシステムのサポートなどを推進する。サザーランド氏は、両社によるこの取り組みは「顧客ドリブン、マーケットドリブン」の動きだと説明した。
「顧客によっては、アプリケーションをマイクロソフト環境で開発し、それがODBC経由でOracle DBにつながっているというケースもある。それらが現在、AzureやOracle Cloudに移行しつつある。それならば、われわれがそうした動きに対応するのは自然の流れだ」(サザーランド氏)
またオーバーマイヤー氏は、クラウドベンダー間のパートナーシップは「業界にとっても大切なこと」だと述べ、マイクロソフトとのパートナーシップも「まだ始まりにすぎない。両社の顧客であるエンタープライズのニーズにより最適化していく」方針だと説明した。
なお両社のデータセンター間相互接続は、現在のところ北米地域(Oracle Cloudのバージニア州アッシュバーン・データセンターとAzure US East)のみで実現している。オーバーマイヤー氏は、意味のあるかたちで相互接続を行うためにはデータセンター間の通信遅延が小さい、つまり物理的距離が近い必要があり、まずはその要件を満たす北米でスタートしたと説明した。この取り組みは今後グローバルに展開していく計画で、日本においても年内には何らかのアナウンスをしたいと考えているが、検討事項も残っているため「現時点で具体的に確約できることはない」としている。まあ、どうなるか分かりませんが、年内あたりに発表があることを期待し、待ちましょう。ちなみに、講演資料にも多少記述がありました。
オラクルクラウド移行を完了したゲストに聞くOracle Cloudを選択する理由&次世代インフラ/データベースクラウド最新情報
AzureとOracle Cloudの接続ですが、それぞれの閉域接続サービスを使って接続するという形になるようです。(ExpressRoute、FastConnect)
クラウド管理ポータルからの操作だけで接続できるようになれば、便利ですね!後は遅延がどの程度になるかが気になるところです。
Oracle Cloudに関しては次の2年くらい、つまり20年から21年中頃までにどこまでシェアを拡大できるかが、ポイントになるでしょうね。ただ、Oracle Cloudはデータベース関連の技術以外は特段新しいものがない気がします。価格が安い、という理由だけでシェアを取ると、どこかのタイミングでAWSなどがガッツリ対抗値下げをしてくる気がします。そう考えると、オラクルにとっては主導権を握れない難しい戦いを強いられることになりそうです。
競争があってコストが下がるのは、それはそれでユーザとしてはありがたい話なのですよね。でも、負けたほうが撤退や新規機能への投資をやめてしまうというのは、ユーザにとっては大きなリスクです。そう考えると、やはりクラウドサービスは強いものにユーザが集まり、強いものがますます強くなって行くのではないでしょうか。
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