本日まで開催している「Japan Drone 2023」で展示されている、三菱重工のドローンが記事になっていました。
ほぼ“空飛ぶ軽トラ”、三菱重工が積載量200kgのドローン 日経クロステック 2023.06.28
展示されているドローンは以前本ブログでも取り上げた2機種です。
本ブログでは大きい方のドローンを大型ドローンと表記したのですが、今回の記事、というか三菱重工の表示上は中型ドローンだそうです。ペイロードが200Kgということは、恐らく最大離陸重量は400~600kgなので、中型と言うには大きい気がしますが。。。まあ、人が乗れるサイズのeVTOLもドローンと言えばドローンなので、そちらを大型とするなら中型なのかもしれません。国交省などが早めに区分の呼称を決めて欲しいですね。
気になるスペックですが、公開されている情報は以下のとおりです。
三菱重工 中型ドローン
- 動力:バッテリーのみ/ハイブリッドタイプ
- 最大離陸重量:不明
- 最大ペイロード重量:200kg
- 航続距離:不明
- 航続時間:2時間(ハイブリッドタイプ)
- 巡航速度:60km/h(最大90km/h)
- ホバリング限界高度:不明
- 価格:不明(開発中)
航続距離は不明ですが、巡航速度が60km/hで航続時間が2時間程度なので、航続距離は100km程度でしょうか。そうなってくると、川崎重工が開発している無人ヘリ「K-RACER-X2」とかなり似たスペックとなります。
K-RACER-X2
- 動力:エンジン
- 最大離陸重量:650kg
- 最大ペイロード重量:200kg
- 航続距離:100km程度
- 巡航速度:不明
- ホバリング限界高度:3,100m
- 価格:不明(開発中)
想定用途が山岳部の物資輸送、トラックで現地まで運べる、というところまで同じです😁ヘリコプター型とマルチコプター型という大きな違いはありますが、ここまで同じにしなくても、という感じですね。恐らく新しい最大離陸重量600kgまでの無人航空機の認証制度を想定して設計すると、同じ感じになるのだとは思います。
なお、K-RACER-X2については何度か本ブログでも取り上げていますが、類似する航空機との比較なども行っています。
日経クロステックの記事の方に以下の記載があります。
実運用に向けた認証取得のハードルは高そうだ。この機体は通常のドローン(無人航空機)ではなく、より多くの積載量をより遠くへ運ぶ「無操縦者航空機」という新しいカテゴリーとして開発しているため、現状では有人航空機と同様、「型式証明」の取得が必要になる。「現在、国土交通省で詳細を検討しており、その動向を注視している」(三菱重工の説明員)としている。
ここで国交省で詳細を検討しており、というのがまさに川崎重工がK-RACERの型式認証について国交省と進めているやつですね。会議議事録を見る限り、23年度内に制度整備目標となっているので、もうしばらくかかりそうです。
詳細は以下の記事をご参照下さい。
川崎重工はK-RACERを利用した山岳部での物資運送サービスを2026年に開始したい、としています。一方で現時点では三菱重工の方は特にそういった目標はまだ公開されていませんし、ドローンのみ他社に提供するのか、それとも自社でサービスを始めるのかも分かりません。ただ、日本を代表する重工2社がこういう無人機を開発している、というのは今後の無人航空機市場の拡大を予感させますね。
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