水曜日, 6月 28, 2023

単発エンジンの超軽量ジェット機

 HondaJetなどが含まれる区分「超軽量ジェット機」は、大凡パイロットが1名、乗客が4-8名、最大離陸重量が10,000ポンド (4,540 kg)未満とされています。超軽量ジェット機はHondaJetのように、より大型のジェット機と同様に2つのエンジンを持つものがほとんどです。一方で、1つしかエンジンを持たない、単発エンジンのモデルもあります。今回はこちらをご紹介します。


米国のミネソタ州に拠点があるシーラス・エアクラフトが開発した単発エンジンのジェット機です。シーラス・エアクラフトは1984年にホームビルド機メーカーとして創業し、その後単発レシプロ機の販売を開始、ヒット航空機となります。そして、2016年10月28日にFAAよりVision SF50の型式証明を取得しました。
なお、2011年、シーラス・エアクラフトは中国の国営企業である中国航空工業集団公司(AVIC)に子会社の中航通用飛機を通じて買収されています。

主なスペック
  • 最大巡航速度:305 knot(564 km/h)
  • 失速速度: 67 kn (77 mph、124 km/h) (フラップあり)
  • 実用上昇限度:31,000 ft (9,400 m)
  • 最大巡航距離:1,275 nm(2,361 km) 
  • エンジン:ウィリアムズ・インターナショナル FJ33
  • 最大離陸重量: 16,000 ポンド (2,727 kg)
  • 有効最大搭載量:1,350 lb (612 kg)
  • 搭乗者:最大7名
  • 価格:$3.25M(約4億5千万円)
失速速度がジェット機としてはかなり遅いため、必要な滑走路距離がジェット機としては短い(離陸:496m、着陸:621m)ことも特徴です。また、トラブル時の対策として緊急着陸パラシュートを標準装備しています。
本モデルはHondaJetなどの従来型の2つエンジンを積んだ超軽量ジェット機と比較すると性能が低く、スペックはプロペラ機に近くはなります。しかし、価格も安いこと(HondaJetなどの約半額)、プロペラ機と操縦感覚が近いこともあり本分類の中ではかなりの販売台数があります。




現在ポーランドで開発が進んでいる、単発ジェット機です。まだ型式証明を取得してはいませんが、2019年に初飛行はしており、現在開発中となっています。こちらも形はVision SF50に似ていますが、より小型になっています。

主なスペック
  • 最大巡航速度:800 km/h (500 mph、430 kn)
  • 失速速度: 115 km/h (71 mph、62 kn)
  • 実用上昇限度:31,000 ft (9,400 m)
  • 最大巡航距離:3,500 km (2,200 マイル、1,900 海里)
  • エンジン:ウィリアムズ・インターナショナル FJ33
  • 最大離陸重量: 1,850 kg (4,079 ポンド)
  • 搭乗者:最大5名
  • 価格:$2M?(約2億8千万円)

まだ開発中の本機を販売が開始しているVision SF50と比較するのもなんですが、Vision SF50と比較すると最大離陸重量が約1t軽いが、速度と航続距離が非常に速く、長くなっている、という感じです。というか、速度も航続距離もHondaJetより性能が高いですからね。そして、予定通りであればVision SF50よりも安いと。HondaJetが3機購入できるくらいの価格ですね。失速速度が非常に遅いことも注目です。
繰り返しになりますが、こちらは開発中のモデルですので、開発が中止になるかもしれませんし、実際に販売されたとしても予定通りのスペックにならない可能性があります。ただ、夢がある飛行機です。


ということで、今回は単発エンジンの超軽量ジェット機をご紹介しました!

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