水曜日, 9月 28, 2022

オンプレとIaaSのコスト比較(低スペックサーバ)2022年版

 ちょっと最近信じられないくらい円安が進んでいますよね。
年初1ドル110円台だったのに、145円まで到達し、150円も見えてきています。

こうなってくると気になるのがクラウドコストです。というのも、AWS、Azureなどの外資系クラウドは料金が基本ドルで、毎月為替レート換算で日本円で請求されるという仕組みだからです。

つまり、ここまで極端に円安が進んでしまうと、AWS、Azureについては実質値上げになってしまいます。一方で国産クラウドは日本円が基本なので、今のところは円安の影響は受けていません。将来的にはサーバーなどのクラウドを構成する機器の値上げや、ライセンスの値上げを受ける可能性はありますが、今のところは大丈夫ですね。

円安が進んだ現時点ではどうなるか、再度比較してみたいと思います。

まず、オンプレサーバーを試算してみます。前回同様、富士通製サーバーで試算します。

【オンプレサーバーの見積】
前回はディスクが500GBですが、SATAの場合は最低が1TBのようなので、今回はすべて1TBで試算します。
  • PRIMERGY TX1310 M5 
  • OS:Windows Server 2022 Standard
  • CPU:Pentium Gold G6405 プロセッサー (4.1GHz/2コア/4MB)×1
  • メモリ:8GB
  • ディスク:1TB×2(RAID1)
  • UPS(Powerchute含む)
  • サポートパック×5年(本体/UPS)
合計金額:711,810円

前回から、10万ほど価格が上がっています。細かい条件の違いはありそうですが、若干値上げもあるのかもしれません。

【IaaSサーバ見積】
IaaSについても前回同様、AWS、Azure、ニフクラで見積もってみます。

AWS
  • Windows t3a.medium(2vcp/4GBメモリ) $49.20/月
  • 汎用SSD(gp3) 1000GB $98.30/月
合計金額:$147.50/月×60ヶ月=$8,850(5年間費用)
※1ドル145円換算だと1,283,250円(5年間費用)

なお、3年リザーブドの場合は1,106,727円(5年費用)となります。
前回より結構上がっているのですが、原因はgp3の方を選択しているためですね。ただ、こちらのほうが今はおすすめになっています。

Azure
  • Windows B2S(2vcp/4GBメモリ) $45.55/月
  • Standard Disk 1024GB $41.01/月
合計金額:$86.56/月×60ヶ月=$5,193.6(5年間費用)
※AWSと同様に1ドル145円換算だと753,072円(5年間費用)

なお、インスタンス費用を3年リザーブドにすると、537,573円(5年間費用)となります。

ニフクラ
  • c-small4(1vcp/4GBメモリ) 6,000円/月
  • Windows OS 3,200円/月/1vCPU
  • 標準フラッシュディスク 1,500円/100GB/月×10=15,000円
合計金額:24,200円/月×60ヶ月=1,452,000円(5年間費用)


ということで、5年間総額での比較です。

オンプレサーバ   711,810円
AWS       1,283,250円:180%(3年RIだと1,106,727円:155%)
Azure       753,072円:106%(3年RIだと537,573円:76%)
ニフクラ       1,452,000円:204%
※IaaS費用に記載のパーセントはオンプレ費用比

やはり為替の影響でオンプレと比較してもAWS、Azureの方が全然安いよね、という状態ではなくなりました。もちろん、データセンター費用、電気代、運用費などを考慮するとクラウドのほうがメリットが大きいと考えます。

ただ、今回はディスクサイズを大きくして比較したため、クラウド同士の比較があまり正確ではありません。Azureは一番安いディスクですし、AWSは悪くないディスクで見積もっているのでAWSと比較してAzureが安い結果になってしまったので見積条件の違いもあります。その点、ご留意ください。

しかしまあ、ここから為替がどう動くのかは分かりませんが、更に円安が進むようであれば、結構厳しい気がします。クラウドの費用変動はクラウド利用のリスクの1つになりそうですね。

0 件のコメント: