金曜日, 10月 25, 2019

NTT Com「Cloudn」を2020年末に提供終了へ

NTT Comがパブリッククラウドサービスである「Cloudn」を2020年12月31日で提供終了すると発表しました。

データ利活用の基盤を「Enterprise Cloud」を通じて提供する――、NTT Comがパブリッククラウド「Cloudn」を終了する理由 クラウド Watch 2019年10月25日

以下、記事の抜粋です。
  NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)は24日、2020年12月31日付けでパブリッククラウドサービス「Cloudn(クラウド・エヌ)」を終了し、企業向けクラウドサービス「Enterprise Cloud」へ統合すると発表。記者説明会にて、この詳細を解説した。 
 それによると、パブリッククラウド領域では、海外のハイパースケールクラウド事業者がビジネスを伸ばしていることから、ハイパースケーラーとの協業を行うことを検討する。 
  一方でプライベートクラウドについては、基幹システムのクラウド移行拡大など今後の拡大が見込めることもあり、企業のデータ利活用を可能とするプラットフォームとして、Enterprise Cloudを提供していく。

 パブリッククラウドと言うか、Cloudnが担っていた個人向け、公開システム向けというのは海外のクラウド大手、国内だとVPSが得意としている分野です。頑張っても採算が遭わないので終了する、という経営判断は正しいと思います。移行先としてはEnterprise Cloudの他、WebARENAも案内するとようです。Enterprise Cloudは個人では契約できませんし、ある程度の規模があるシステムを動かす用のクラウドですので、個人契約、もしくは数台程度の公開システムはWebARENA、もしくは他のクラウドサービスに移行することになりそうです。 

興味深かったのが以下の記事に記載がある「Cloudnの契約数は個人と企業を合わせて5000件前後の横ばいで推移していたという。」という部分です。

  NTTコムが「Cloudn」を2020年末終了へ、海外勢に押されて契約数伸びず 日経 xTECH 2019/10/24 

それなりの契約数がある気もしますが、最小450円構成の個人もいることを考えると、実際にそれなりの規模で利用しているユーザは少ないのでしょう。まともに使っている法人に関しては数百前半、あるいは今や数十かもしれません。

 Cloudnは2012年にサービスが開始された、今となっては古参の国産クラウドです。一時期はIDCFクラウドとワンコインサーバといって安価なサーバを提供し、盛り上がったこともありました。以前の記事「【2019年1月版】国産クラウド(IaaS)一覧」でも触れましたが、ここ最近Cloudnは新しい情報が公開されておらず、終息かとは思っていました。しかし、実際に発表されてみると、少し寂しい気もします。 

とは言いつつ、一昔前雨後の筍のように現れた国産クラウドは今後ますます淘汰されていくでしょう。もう国産クラウドはプライベートクラウド+おまけのパブリッククラウドだけ、という風にならないためにも、純粋な国産のパブリッククラウドには頑張って欲しいと思っています。なんたって、最後まで生き残るのは最後までサービスを止めなかったところですから。

(参考)
NTT Com、パブリッククラウド「Cloudn」20年末に終了 「Enterprise Cloud」に経営資源を集中 ITmedia 2019年10月25日
NTT Com、2020年末でパブリッククラウド「Cloudn」提供終了へ TECH.ASCII.jp 2019年10月25日

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