1つ目はNECの量子コンピュータへの取り組みについてのニュースです。
NEC、量子コンピューターの進捗説明 目標を公開 日本経済新聞 2019/1/17
NECは2019年1月16日、同社の量子コンピューターに関する研究について説明会を開催し、「23年までに、1ミリ秒の量子重ね合わせ時間(コヒーレンス時間)を実現したい」(NECの中村祐一中央研究所理事)と目標を明らかにした。1ミリ秒のコヒーレンス時間を実現できれば、「10の50乗の計算の試行ができ、量子コンピューターのメリットが出る」(同)ためだ。
NECはアニーリング型と呼ばれる量子コンピューターを開発しており、18年には「23年までに実用化する」と発表している。アニーリング型の量子コンピューターに向けて、NECは独自の「超伝導パラメトロン」と呼ぶ方式の実用化を研究中だ。「当社は1999年から量子コンピューターを研究しており、その成果の積み重ねがある。他社の方式よりもコヒーレント状態を長く保てるのが、超伝導パラメトロン方式の特徴だ」と中村理事は話す。
量子コンピューターの実現には、NECが開発に注力するアニーリング方式のほかに、ゲート型といわれる方式もある。中村理事はゲート型について「研究を止めているわけではなく、社外との協力によってオープンイノベーション方式で開発を進めている」と説明。「アニーリング型のほうが実用化に近いと判断して注力している。まずはそちらで成果を出していきたい」と話した。アニーリング方式の方が実用化が近いという判断、ゲート方式も研究を止めているわけではない、というあたりは評価できる(というと上から目線ですが)と思います。が、アニーリング方式での実用化が2023年というのはちょっと遅いと思います。既に実用化している富士通の8000量子ビットモデル(半導体ではありますが)が昨年末、D-Waveの4000量子ビットモデルが恐らく今年提供されると考えると、周回以上の遅れな気がします。よほど画期的な機能や値段設定でない限り、ハードウエアで勝負するのは難しいのではないでしょうか。
とは言いつつ、どんなものが出てくるのか、楽しみではあります。やっぱりアニーリング方式の製品て開発は中止とならないよう、頑張って頂きたいと思います。
2つ目は富士通のデジタルアニーラに関するニュースです。
富士通、デジタルアニーラで組み合わせ最適化問題を高速に解くコンテストを実施 IT Leaders 2019年1月15日
富士通は2019年1月15日、「デジタルアニーラ」の普及促進を目的に、従来のコンピュータでは解を得ることが困難な問題をデジタルアニーラで解くコンテストを、2019年2月から3月まで開催すると発表した。技術者コミュニティ「Topcoder」に登録している世界138万人以上(2018年12月1日時点)のメンバーが対象。Topcoderを活用したサービスを国内で展開するTC3とともに開催する。これは良い試みだと思います。NTTや日立は開発した量子コンピュータ(量子イジングモデル方式ですが)を公開し、誰でも申請すれば試用できるようにしています。が、富士通はそういったことをしていません。また自社内と提携パートナーの枠組みだけで囲い込もうとしているのかな、と思っていましたが、ここで少しオープンに普及を促す動きをしてきました。
前回の記事でも記載しましたが、量子コンピュータはハードウエアも大事ですが、ソフト面が非常に重要です。ここで、こういった活動を積極的に行うことが利用促進に繋がり、将来的なシェア獲得に繋がっていくと思います。
今後も各社の動向に目が離せませんね!
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