日曜日, 6月 04, 2023

自衛隊に配備されている無人航空機のスペック

 以前より報道されていますが、自衛隊に現在配備されている戦闘ヘリ、観測ヘリ、救難捜索機などが無人機に置き換わる計画となっています。

空自捜索機や陸自戦闘ヘリを廃止、無人機で代替へ…防衛予算効率化 読売新聞 2022/12/09


輸送用ヘリはもちろん残るので、自衛隊からヘリコプターが全てなくなるわけでは有りません。ただ、前線に出る有人のヘリはなくなりますし、更に遭難や監視系の固定翼機についても無人機に置き換わりそうです。

この置き換えはこれから進んでいくものですので、置き換わり先の無人機がすべて決定しているわけではありません。ただ、すでにいくつか導入済みの無人機もあります。今回はそちらを整理してみましょう。

スキャンイーグル2

陸上自衛隊が導入している無人偵察機がスキャンイーグル2です。以下のスペックはWikipediaからの引用です。(無印スキャンイーグルの性能かも)

  • 全長:1.55m(電子光学センサー装備時)
  • 全幅:3.11m
  • 自重:13.1kg
  • 最大離陸重量:22kg
  • エンジン:3W 2サイクル単気筒エンジン(1.5馬力)×1
  • 最大速度:148km/h
  • 上昇限度:5,944m(最大)/4,572m(常用)
  • 航続時間:24時間+
  • ペイロード:3.4kg
  • 価格:1機あたり2億5000万円

RQ-4B グローバルホーク

航空自衛隊が2021年より導入を開始した無人航空機がRQ-4 グローバルホークです。正確にはブロック30なのですが、実はこの機種はアメリカ空軍では2022年に全機退役し、後継機が稼働しています。3機導入されています。以下のスペックはWikipediaからの引用です。(RQ-4Aの仕様なので、大型化されたRQ-4Bはもう少し性能が良い可能性があります。)

  • 全長:13.52m
  • 全幅:35.42m
  • 全高:4.64m
  • 空虚重量:6,710kg
  • 最大離陸重量:12,111kg
  • ペイロード:907.2kg
  • エンジン:ロールスロイス製AE3007Hターボファン×1
  • エンジン推力:37kN
  • 巡航速度:343kt
  • 実用上昇限度:19,800m
  • フェリー航続距離: 22,779 km
  • 滞空時間:36時間
  • 価格:3機で386億円億円(1機あたり128億円)

RA MQ-9B シーガーディアン

自衛隊ではなく海上保安庁が導入した無人航空機。現在3機体制で運用されています。海上保安庁ではシーガーディアンで取得した情報を自衛隊にも連携しています。以下のスペックはWikipediaからの引用です。(シーガーディアンの元になったMQ-9 リーパーのスペックと思われる。)

  • 製作: ジェネラル・アトミックス
  • 操縦員(遠隔操作): 2名(パイロット1名、センサー員1名)
  • エンジン: ハネウェル TPE331-10Tターボプロップエンジン、出力950 SHP(712 kW)
  • 最大燃料搭載量: 1,815 kg (4,000 lb)
  • 長さ: 11 m (36 ft)
  • 翼幅: 20 m (66 ft)
  • 空虚重量: 2,223 kg (4,900 lb)
  • 最大離陸重量: 4,760 kg (10,500 lb)
  • 最高高度: 15,200m (50,000 ft)
  • 運用高度: 7,600m (25,000 ft)
  • 滞空時間: 14〜28時間
  • 航続距離: 5,926 km (3,200 nmi, 3,682 mi)
  • ペイロード: 3,750 lb (1,700 kg)
  • ハードポイント:6つ
  • 最高速度: 482 km/h (300 mph, 260 knots)
  • 巡航速度: 276-313 km/h (172-195 mph, 150-170 knots)
  • レーダー: AN/APY-8 Lynx II
  • センサー: MTS-B
  • 価格:1332万5,000USドル(海上保安庁は諸々40億円の契約)


ざっと書き出してみましたが、グローバルホークとシーガーディアンの価格差が結構ありますね。両方ともかなりの価格ですが、それでも有人機に比べると安いのかもしれません。ずっと飛べますし。

スキャンイーグルを導入している陸上自衛隊については今後国産無人機メーカーのフジ・インバック製無人機の導入が予定されています。

国防需要を狙う「固定翼型無人機」、滞空40時間を目指す ニュースイッチ 2022年06月03日


日本は島国ですので、監視すべき海域、海岸沿いは非常に多いです。大型の無人機はコストの問題で数を揃えることが難しいので、ある程度の性能の小型機で数を揃え、常に各海域を監視しているくらいが良いのではないかと思います。(操縦士を増やす必要などの課題はありますが、そこは自律飛行の技術を駆使して頂ければと。)その方が海難事故などの初動対応の迅速化にも繋がりますし。そこにはフジ・インバックの無人機をぜひ活用して欲しいですね。もちろん、大型機や攻撃用無人機の方も国産化を図って欲しいと思います。無人機が増える分、国産の有人機が減るわけですし。今後の海上保安庁、自衛隊の導入無人航空機に注目ですね。

0 件のコメント: