金曜日, 6月 02, 2023

無人ドローン レベル4飛行向け型式認証

 ちょうど昨日以下の記事を書いたのですが、

川崎重工の無人ヘリK-RACERは飛び立てるのか?

本日、無人ドローンのレベル4飛行向けの型式認定に関する記事がでました。

日本初のレベル4飛行を実現したACSLの型式認証プロジェクト ドローンジャーナル 2023年6月1日


無人航空機の飛行レベルはレベル1~4に分かれているのですが、レベル1,2が目視内飛行で、3からが目視外飛行となります。レベル3と4の違いは3は無人地域のみ可能で、4は有人地域(住宅地の上など)の飛行となります。従来レベル4は禁止されていましたが、2022年12月5日より解禁となりました。ただし、レベル4飛行を行うためには「第一種型式認証・第一種機体認証」が必要となります。正確にはドローン利用者が行う機体認証だけでも良いのですが、ドローンメーカーが型式認証を取得することで、機体認証の項目が省略される仕組みになっているため、実質的にはドローンメーカー側での型式認証が必須となっています。


そして、現時点でこのレベル4飛行のための型式認証を受けているのはACSL製のACSL式PF2-CAT3型のみとなります。

ACSL、日本初、レベル4対応の無人航空機の第一種型式認証書を国土交通省より取得 ACSL 2023.03.13

航空機の型式認定と比べてしまうとあれですが、ドローン開発としてはかなり大変そうですね。今回は費用が10億円程度かかったそうです。1000台出る機種であれば1台あたり100万円となりますが、100台しか売れなかれば1000万円となりドローンとしてはかなり高額にせざる得なくなります。そう考えると今後もレベル4対応のドローンは数から多くても十数機種ほどしかでなさそうですね。小規模ベンチャーではおいそれと手を出すことは難しそうです。

もう1つ気になるのは今回のモデルはバッテリーのみで稼働するタイプですが、空飛ぶ軽トラとも呼ばれるペイロード50kgで航続距離50km対応のモデルだとエンジン稼働のモデルになってきます。そうした場合、求められる安全基準がより高くなるため開発費用が更に高額になりそうです。まあ、元々大型のモデルは5000万円~数億レベルの価格になってきそうなので、10億+α程度のコスト感であれば大丈夫、となる可能性もあります。

川崎重工の無人ヘリK-RACERも型式認定が10億円くらいでできれば良し、という感じでしょうが、あちらはサイズ感が全く違うので難しいかもしれません。いや、有人地域を基本飛ばない想定なので、もしくは。今後の大型無人航空機の動向に引き続き注目ですね。

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