火曜日, 3月 28, 2023

無人航空機(ドローンなど)の重量に関する制限事項

 eVTOLがマイブームなのですが、色々と調べるうちにドローンの活用、課題も色々とあることが分かりました。今回は無人航空機の重量に関する制限事項をまとめてみます。


100g未満(小型無人機)

こちらは法律上は航空機ではなく、「小型無人機」です。小型無人機であり、航空機ではないため「航空法」の対象となりません。元々は200g未満だったのですが、2022年6月20日の航空法改正に伴い100g未満となりました。

航空法の対象ではありませんが、どこでも飛ばして良いというわけではなく、飛ばす場所の定められたルールを守ることが重要です。

この重さのドローンだと基本的にホビー用途になると考えられます。もちろん撮影等もできるモデルはありますが、性能が限られているため本格的な用途は難しいと考えられます。


100g以上(無人航空機)

2022年6月20日の航空法改正により、100g以上の無人航空機は登録が必要になりました。これは利用する個人、団体を登録するわけではなく、機体を登録する制度になります。従って従来趣味でラジコン飛行機を複数台持っていた人は全て登録する必要があり(飛ばす場合)、結構大変なことになったと思われます。

ドローンとしてのレンジはこのあたりからが多いのではないでしょうか。また、無人航空機に対する規制事項が航空法で定められています。

 全ての無人航空機の機能及び性能に関する規制 すぎな行政書士事務所

【具体的な機種】

Airpeak S1

  • 概要:SONY製空撮用ドローン
  • 製造元:SONY
  • 動力:バッテリー(電力)
  • 最大離陸重量:約7.0kg
  • 最大ペイロード重量:約2.5kg
  • 最大飛行時間:約22分 ※ペイロード無しの場合
  • 最大速度:25m/s(90km/h)※ペイロード無しの場合
  • ホバリング限界高度:2,500m
  • 価格:110万円

AirTruck(エアートラック)

  • 概要:国産ドローンメーカーACSL製の物流用途向けドローン
  • 製造元:ACSL
  • 動力:バッテリー(電力)
  • 最大離陸重量:25kg
  • 最大ペイロード重量:5㎏
  • 航続距離:20㎞ ※ペイロード3.5kg時と思われる。
  • 最大速度:10m/s(36km/h)
  • ホバリング限界高度:不明
  • 価格:300万円

25kg以上(無人航空機)

最大離陸重量25kg以上(本体、バッテリー・燃料など、荷物を含め25kg以上離陸させる能力がある無人航空機)については、前述の規制に更に追加の規制があります。具体的には堅牢性、耐久性やフェールセーフ機能です。

最大離陸重量25kg以上の無人航空機の機能及び性能に関する規制 すぎな行政書士事務所

【具体的な機種】

FAZER R G2(衛星通信仕様)

  • 概要:ヤマハ発動機の大型無人ヘリ
  • 製造元:ヤマハ発動機
  • 動力:エンジン(レギュラーエンジン)
  • 最大離陸重量:110g(120kgのモデル有)
  • 最大ペイロード重量:33kg(50kgのモデル有)
  • 航続距離:90km
  • 最高速度:72km/h
  • ホバリング限界高度:2,800m
  • 価格:不明(レンタル/業務委託のみ 2017年4月〜)

Hybrid Drone i-Gryphon

  • 概要:ロケット開発などを手掛けるIHIエアロスペースが開発中の大型ドローン
  • 製造元:IHIエアロスペース
  • 動力:エンジン(ハイオクガソリン)
  • 最大離陸重量:149kg
  • 最大ペイロード重量:47kg
  • 航続距離:50km
  • 巡航速度:60km/h
  • ホバリング限界高度:3000m
  • 価格:不明(開発中)

SkyLift

  • 概要:eVTOLを開発している国内ベンチャーSKYDRIVE開発の運搬用ドローン
  • 動力:バッテリー(電力)
  • 最大離陸重量:85kg?
  • 最大ペイロード重量:30kg
  • 航続距離:2km(1km往復の運用)
  • 巡航速度:36km/h(10m/s)
  • ホバリング限界高度:不明
  • 価格:不明

150kg以上(無人航空機)

最大離陸重量が150kg以上を超えると、今度は航空法ではなく航空機製造事業法の規制対象になります。航空機製造事業法では航空機の製造、修理を行う事業、設備が許可制となり、航空検査技術者による確認も行われます。ということで、製造、運用についてかなりハードルが上がるわけですね。そのため、物流用ドローンなども基本的に150kg未満を目安に開発されています。

なお、元々は100kg以上だったのですが、平成25年度に農業用無人ヘリなどの活用推進のため150kg以上に緩和されました。また、本規制については既に規制緩和が多数要望されており、今後見直しが行われる可能性があります。

【具体的な機種】

K-RACER-X2

  • 概要:川崎重工が開発中の無人ヘリ/2026年に量産予定
  • 製造元:川崎重工(川崎重工業航空宇宙システムカンパニー)
  • 動力:エンジン
  • 最大離陸重量:650kg
  • 最大ペイロード重量:200kg
  • 航続距離:100km程度
  • 巡航速度:不明
  • ホバリング限界高度:3,100m
  • 価格:不明(開発中)

EH216(Logistic)

  • 概要:EHang開発のeVOLT「EH216」の物流輸送用版
  • 製造元:億航智能(EHang)
  • 動力:バッテリー(電力)
  • 最大離陸重量:不明
  • 最大ペイロード重量:250kg
  • 航続距離:30km ※設計飛行距離
  • 最高速度:130km/h
  • ホバリング限界高度:不明
  • 価格:約4,800万円


(参考資料)

無人航空機を巡る状況と航空機製造事業法の制度について 2023年1月 製造産業局航空機武器宇宙産業課

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