Microsoftは米国時間7月11日に「Windows 98」と「Windows Me」用のセキュリティ更新ファイルの配布とサポートの提供を終了しました。両OSのユーザーはまだ5000万人以上いるという試算もあるのですが、MicrosoftはそういったユーザはWindows XPなどの新しいOSアップデートするようにと呼びかけています。これで遂にMS-DOSの流れを汲んだOSがMicrosoftから消えてしまいますね。
Windows 98、および Windows Me に対するサポート終了のご案内 Microsoft
マイクロソフト、「Windows 98」「Windows Me」の延長サポートを終了 CNET Japan 7月12日
Windows 98/Meのセキュリティ・パッチは7月が最後 IT Pro 7月11日
実はMicrosoftはWindows 98のサポートを2004年1月で打ち切る予定でした。
マイクロソフト、Windows 98のサポートを2004年1月16日に終了 INTERNET Watch 2003年12月16日
Windows 98のセキュリティパッチ提供は2004年1月まで INTERNET Watch 2003年6月10日
Windows 98のサポート終了で、企業システムが危険に EnterpriseWatch 2003年12月12日
しかし、2004年の段階でWindows 98のユーザ数が非常に多かったWindows 98のサポートをやめてしまうことに対しての批判が高まったことや、サポートが終わってセキュリティに問題が出るようだったらLinuxに変えてしまおうというユーザを止めるためにサポートを延長したようです。
Windows 98、Windows 98 SE および Windows Millennium Edition (Me) 延長サポートフェーズ延長のお知らせ Microsoft
マイクロソフト、Windows 98/Meのサポートを2006年6月30日まで延長 INTERNET Watch 2004年1月14日
マイクロソフト、Windows 98のサポートを2006年6月まで再延長 CNET Japan 2004年1月15日
マイクロソフトの苦悩を浮き彫りにした、旧版Windowsのサポート延長 CNET Japan 2004年2月4日
Windows 98のサポート延長はどんな意味があるか IT Pro 2004年2月2日
IT技術というのはとにかく進歩が早いです。特にOSはIT技術の塊ですから、次々に新しい技術が載ります。だから、ユーザにはどんどん新しいOSにアップデートして行って欲しいというMicrosoftの気持ちは分からなくもありません。しかし、それはMicrosoftの都合であって、ユーザはそんなことは関係ないですね。実際、多くの企業でいまだにすでにサポートの切れているWindows NT Server 4.0が利用されているという現実もあります。
データで見る中堅・中小企業のIT導入実態(5)サーバーOSはWindowsの寡占状態 IT Pro 2006年7月11日
これらのOSにセキュリティ上の問題が発生した場合に、サポート切れのOSを利用しているユーザの責任であるといって良いのでしょうか?まあ、サポート中でもMicrosoftはOSの脆弱性が原因で発生した損害の補償は一切してくれませんが・・・。これは、損害が発生した場合、Windowsなんかを利用しているユーザが悪いという認識になるんでしょうね。
【では、Windows XPのサポートはどうなるのか?】
さて、少し話がずれてしまいましたがMicrosoft製品のサポートというのは「メインストリーム・サポート」と「延長サポート」の2種類あります。「メインストリーム・サポート」というのは全製品に対して一定期間提供されるサポートで、セキュリティに関するバグ修正とセキュリティ以外のバグ修正を無料で受けることができます。「延長サポート」というのは業務用製品にだけ提供されるサポートで、「メインストリーム・サポート」終了後、最低5年間セキュリティに関するバグの修正を受けることができます。
ここで、Windows XPのサポートが今後どうなるのか考えて見ます。Windows XPの「メインストリーム・サポート」は、後継であるWindows Vistaの販売開始から2年と発表されています。Windows Vistaの発売が2006年12月に始まるとすると、Windows XPの「メインストリーム・サポート」は2008年12月に終了することになります。Windows XP Professionalは業務用ですので、その後「延長サポート」を受けることができるため最低でも2013年12月まではセキュリティパッチの提供を受けることができます。しかし、問題なのはWindows XP Home Editionです。Home Editionは業務用ではないので「延長サポート」は行われません。したがって、Windows XP Home Editionは最短で2008年12月にセキュリティパッチの提供を受けることができなくなってしまう可能性があるのです。
ただ、マイクロソフトは「まれに幅広いお客様が例外的な危険にさらされているとマイクロソフトが判断した場合には,製造中止となった製品に対して更新プログラムをリリースする場合があります。 このポリシーは XP Home のサポート期間の終了後も引き続き適用されます」コメントをしたそうです。それにしても、販売終了から5年間ぐらいはサポートして欲しいですよ。だってセキュリティパッチの提供が終わってしまうということは、そのOSの有効期限が切れてしまったということなんですからね。
【特集】どうする「寿命切れ迫るWindows XP」(第1回) IT Pro 2006年2月8日
【特集】どうする「寿命切れ迫るWindows XP」(第2回) IT Pro 2006年2月8日
最後になりますが、Windows XP SP1のサポートは2006年の10月で終わってしまします。SP2をまだ当てていない方は早めに当てるようにしましょう!
Windows XP SP1のサポートは10月に終了 ITmedia News 2006年6月9日
<参考>
Windows デスクトップ製品のライフサイクル Microsoft
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