月曜日, 7月 03, 2006

情報セキュリティEXPOに行ってきました

6月28日(水)から6月30日(金)までの3日間、第3回情報セキュリティEXPOが東京ビックサイトで開催されました。私も行ったには行ったのですが、最終日の最後の時間帯にしか行けなかったのであまりじっくりと製品を見たり説明を受けたりすることができませんでした。残念です。

しかし、せっかくなので私が見てきた数少ない製品の中から面白かったものを何点かご紹介したいと思います。情報セキュリティEXPO全体に関しては、CNET Japan読者ブログでわをんさんが取り上げていますので、そちら(情報セキュリティExpoへ行ってきました情報セキュリティExpoへ行ってきました2)を見てみるのも良いかもしれません。

【バイオメトリクス】
《日立製 指静脈認証システム 静紋》
何度となく話には聞いていた日立製の指静脈認証装置ですが、今回始めて実物を見ることができました。さらに、実際自分の静脈パターンを登録して認証をするまでのデモを行っていただきました。ありがとうございました、日立の人。
実際使ってみての感想ですが、登録と認証はとてもスムーズに行うことができたので、やはり指紋よりも確実性が高いのかなぁと思います(サンプルが私1人なので、高いんだろうなぁ程度にしか言うことができません)。ただ、指静脈の認証装置ですが思いの外大きかったです。おそらく富士通の手のひら静脈の認証装置とほぼ同じ大きさでしょう。指紋の認証装置が非常に小型化されていることを考えると、この大きさはネックになってしまうと思います。また、価格が指紋と比べると非常に高額になってしまいます。こういった問題は技術的に改良が進めば改善されていくとは思いますが、まだもうしばらく時間がかかるでしょう。静脈認証装置がノートパソコンに組み込まれる日を楽しみにしているのですが、まだ当分そんな製品は登場しなそうです。

《DDS製 指紋認証システム UBF》
こちらも何度も話には聞いているものの、実物を見たことがなかった製品です。この指紋認証システムの面白いところは、指紋認証のアルゴリズムが現在多くの指紋認証システムで採用されている特徴点抽出照合法ではなく、周波数解析法という名古屋工業大学大学院 梅崎太造教授が考案し、DDSと共同開発した方法であるということです。このアルゴリズムのおかげで、登録拒否がないというところがこの製品の売りです。
こちらの製品もデモを行っていただいたのですが(なぜかデモを行ってくれたのは日立ソフトの人)、問題なく利用することができました。このUBFという製品は静電容量型の指紋認証装置ではなくスライドさせるタイプなので、静電容量型の認証装置よりも壊れにくいかなぁと思います。価格はそれほど安くないのですが、それほど高くもないか、といったところです。

今回取り上げた2つの製品はどちらも現在販売されている多くの指紋認証システムが抱えている、「登録できない人がいる」とい問題を解決することが可能です(検証してないのでたぶんですが)。サイレックス社もそういった製品を出しましたし、静電容量で特徴点抽出照合法という指紋認証装置の時代は終わりを迎えつつあるのかも知れません。

ただ、今回残念だったのはNECが最近発表した指紋認証装置を見ることができなかったことです(顔認証はやってましたが)。触ってみたかったのに残念です。

【操作監視、資産管理】
《ハンモック社製 Asset View HYPER》
資産管理ツールとして定評のある「Asset View HYPER」ですが、その強みは充実した機能もさることながら、なんと言ってもその価格でしょう。私も似たような製品をたくさん見ていますが、この価格表を見ると「Asset View HYPER」はすごいなぁと思います。もちろん、全部の機能を使おうとするとそれなりの価格にはなってしまいますが、企業によってやりたいことは様々ですから機能を自由に選択できる、つまり機能ごとに購入することができるということは大きな魅力ではないでしょうか。

【その他】
《インターコム社製 SmartHDD Server ハードディスク診断》
この製品はインターコム社がすでに販売していたHDDが壊れる日を予測するという製品である「SmartHDD Pro」(スタンドアロン版)の上位版で、最大50台までのマシンを集中監視できるというものです。ちなみに、管理できるのが50台では少ないですよねと尋ねてみたところ、次期バージョンは1万台以上を管理できるとのことです。
インターコム社の方に製品の仕組みについて説明していただいたのですが、正直よくわかりませんでした。しかし、とても面白い製品であることは間違いないでしょう。HDDが何の前触れもなく壊れると大惨事ですから。ただ、この製品価格がとても高いのです。価格表を見たときに思わず「えー、高いですね。」と大声を出してしまいました。この価格では、ユーザのマシンに入れて利用するというよりも、部門のファイルサーバや、重要なサーバを管理するといった使い方が現実的でしょう。ただ、重要なサーバにあまりアプリケーションを入れたくはないんですけどね。

インターコム社のブースに私が行ったのは、インターコム社が最近発表した資産管理、操作監視製品であるMaLionを見たかったからなのですが、結局MaLionの説明は受けることなく「SmartHDD Server ハードディスク診断」の話ばかり聞いていました。

さて、情報セキュリティEXPO全体の感想ですが、人がとても多くて人に酔いました。あとは、ビックサイトは遠いといったところでしょうか。今回の展示会は、それほど斬新な製品はなかったかと思います。ただ、総合的なセキュリティ対策を謳うベンダーが増えたなぁとは思いました。

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