金曜日, 2月 07, 2025

eVTOLの技術と普及に関する総合レポート

 主にChatGPT o1を利用して作成しています。

1. はじめに

eVTOL(electric Vertical Take-Off and Landing)とは、電動モーターによって垂直離着陸を可能とする航空機の総称です。近年、バッテリー技術・モーター技術・制御技術の急速な進歩により、都市部や地方の移動手段、さらには軍事・災害支援など、従来のヘリコプターや小型機に代わる新たなモビリティとして世界各地で注目されています。本レポートでは、eVTOLに関する技術的背景、市場の展望、電動化モデルと燃料利用モデルの比較、軍事利用の可能性などを総合的に考察し、さらに近年の動向として重要な要素である「搭乗員数」による機体規模の違いにも着目して論じます。


2. eVTOLの技術開発の背景

2.1 ドローン技術と電動化の進展

もともと小型無人機(ドローン)が普及する中で培われた飛行制御技術・軽量高性能モーター・バッテリー技術が、有人飛行へスケールアップされる形で誕生したのがeVTOLです。従来の航空機やヘリコプターと比較して以下の特徴が挙げられます。

  • 排出ガスの削減またはゼロエミッション
  • 騒音の低減(マルチローターなどの新しいプロペラ配置により、比較的静粛な飛行が可能)
  • 機体構造の簡易化(内燃機関よりも部品点数が少ないモーター駆動)

一方で、大型のバッテリーを搭載して垂直離着陸を行うには、まだ技術的にいくつもの課題が残っています。

2.2 課題と制約

  1. バッテリーのエネルギー密度
    • 現状のリチウムイオン電池では、1回の充電あたりの飛行距離(航続距離)が数十〜数百km程度と限られます。
  2. 安全規制と認証
    • 航空当局(FAA、EASAなど)の認証基準が整備途上で、試験や認証に時間とコストがかかる。
  3. インフラ整備
    • 都市内・地方を問わず、離着陸場(Vertiport)や充電ステーションの設置が必要。
  4. 騒音・住民理解
    • 小型ドローンよりは音量が大きく、ヘリコプターよりは静かだとされるが、実際の運用時に都市部での騒音規制をどうクリアするかが懸念点。

3. 世界市場の展望

3.1 アメリカ市場

  • スタートアップの活況: Joby Aviation、Archer、Beta Technologiesなどが大規模な投資を受け、近い将来の商用運航を目指しています。FAAの認証作業が進むにつれ、2025〜2030年頃には大都市(ロサンゼルス、ダラス、マイアミ等)での“空飛ぶタクシー”が試験運用される見込みです。
  • 普及シナリオ: 渋滞の緩和やVIP輸送としてのニーズが高く、短距離の都市内移動から徐々に拡張し、2030年代にはインフラ整備が進んだ都市を中心に実用化が進むと期待されています。

3.2 ヨーロッパ市場

  • 環境規制とグリーン政策: EUは2050年カーボンニュートラルに向けた目標を掲げており、エアバスやVolocopter、Liliumなどの企業が実証実験を活発化しています。
  • EASAの認証: ヨーロッパの認証基準は騒音や安全面で厳しく、導入には慎重なプロセスが必要。しかし環境負荷低減の視点から政策的支援も強く、2030年頃から都市部・観光需要向けに拡大が見込まれます。

3.3 中東市場

  • 先進都市の象徴として: ドバイやサウジアラビアのNEOMプロジェクトなど、資金力とインフラ開発の柔軟性を背景に早期導入が期待されています。
  • 高所得層・観光利用: 当初は富裕層や観光客向けのプレミアムサービスとして始まり、2020年代後半には商用運航が本格化するシナリオが有力です。

3.4 その他の地域(アジア、アフリカ、中南米)

  • アジアの先行都市: シンガポールや韓国などは技術的・政策的にも先導的で、小規模な都市型モビリティとしてeVTOLを取り入れる可能性が高い。
  • インフラ未整備地域の可能性: アフリカなどでは交通インフラが脆弱な地域ほど、医療物資輸送や緊急輸送手段としてeVTOLの導入メリットが大きい。しかし、機体コストや整備費用を誰が負担するかの課題が残ります。

4. 日本市場の展望

日本は国土交通省・経済産業省主導で「空の移動革命に向けた官民協議会」を設立し、法整備・インフラ整備を進めています。2025年の大阪・関西万博での実証飛行が注目され、トヨタやANA、JALなど大手企業がスタートアップとの連携を強化しています。

  • 島しょ部・山間部での活用: 離島や過疎地での医療搬送、物流輸送などの有用性が大きい。
  • 都市交通の補完: 大都市圏の混雑緩和や新観光コンテンツとしても期待。
  • 課題: 都市部は人口・建物の密集度が高く、安全面や騒音問題への住民理解が必要。行政プロセスが複雑な日本固有の事情もあり、一気に普及するのは2030年代以降と見られます。

5. パワートレイン選択と航続距離

eVTOLの技術開発では、搭載するパワートレイン(推進システム)の選択が大きなテーマです。航続距離環境規制インフラ整備などによって採用される方式が変わります。

5.1 完全電動(フル電動)モデル

  • 特徴: バッテリーとモーターのみで推進力を得る。排出ガスゼロ・騒音低減。
  • 航続距離: 現在は1回の充電で150〜200km程度が多い。高出力離着陸時の電力消費が大きく、実効的にはやや短くなる。
  • インフラ: 充電ステーションやバッテリー交換設備が必要。都市部の短距離・中距離需要には適しており、2030年代にはバッテリーのエネルギー密度向上が期待される。

5.2 ハイブリッドモデル

  • 特徴: 内燃機関(ジェット燃料など)とモーター+バッテリーを組み合わせる。
  • 航続距離: フル電動より長く300〜500km以上も可能。燃料補給ができればインフラが整わない地域でも運用しやすい。
  • 課題: ゼロエミッションではなく、構造も複雑化する。騒音や排ガスを都市部でどう扱うかがポイント。

5.3 水素燃料モデル(燃料電池/水素タービン)

  • 燃料電池方式: 水素から発電しモーター駆動。排気は水のみ。高圧タンクや安全管理の課題が大きい。
  • 水素タービン方式: ジェットエンジンを水素燃料向けに改良。高出力で長距離にも対応可能だがNOx排出やエンジン複雑化などの問題がある。
  • インフラと将来性: 水素のサプライチェーンが確立すれば大きく普及する可能性。2030〜2040年代にかけてはまだ過渡期と予想される。

6. 軍事利用の可能性

eVTOLは軍事面でも、偵察・監視や兵員輸送、医療搬送など多様な役割が期待されます。

  • 利点: 垂直離着陸による展開の速さ、騒音や熱源の低減によるステルス性。
  • 課題: バッテリーの寿命やハイブリッド機構の耐久性、過酷な環境下での運用実績が乏しい。重量物(兵器など)の搭載にはパワー不足の懸念も。
  • 将来像: まずは軽装備・偵察から導入が進み、技術が成熟すれば中型〜大型機へと広がるシナリオが考えられる。

7. 搭乗員数による機体規模の違いと普及シナリオ

搭乗員数(乗客数+操縦士数)は機体設計や運用モデルに大きな影響を与えます。

7.1 小型機(2〜4名乗り)

  • 実用化最前線: 現行バッテリー技術でも比較的実現しやすく、都市内エアタクシーや観光、VIP輸送で早期に市場投入される。
  • メリット: ペイロードが軽いため必要なバッテリー・モーター出力が抑えられ、離着陸場もコンパクトでOK。
  • デメリット: 1回の運航あたりの収益性は限定的。

7.2 中型機(5〜9名乗り)

  • 航続距離の課題: 搭乗人数が増えるほど機体重量が増え、航続距離の確保が難しくなる。ハイブリッドや次世代電池の導入が鍵。
  • 用途: 都市間移動やグループ旅行、コミューター路線など、利便性が高いが、安全認証のハードルは小型機より厳しくなる。

7.3 大型機(10名以上)

  • 技術とインフラの成熟が必要: 大容量バッテリーや水素燃料などが本格運用に耐えるまで時間がかかる。
  • 想定用途: 大人数の移動や軍事輸送、災害支援。離着陸ポートの大型化や高度な航空管制が必要になる。

8. 総合的な普及シナリオと展望

8.1 短期(〜2025年)

  • 認証と実証実験フェーズ: アメリカを中心に試験運用やデモ飛行が始まる。中東や日本の万博などイベントでも注目度が高まる。
  • 小型フル電動機が先行: 2〜4名乗りのeVTOLが認証取得を目指し、限定ルートでの営業運航が試行される。

8.2 中期(2025年〜2030年代)

  • 都市部での限定的な実用化: アメリカやヨーロッパ、中国の主要都市、中東の先進都市でエアタクシーや観光フライトが一部普及。日本では大阪・関西万博を皮切りに地方での物流・医療活用も進む。
  • ハイブリッド導入やバッテリー進歩: 航続距離を伸ばすためにハイブリッド機が一定シェアを得る一方、電池のエネルギー密度向上でフル電動の適用範囲も拡大。

8.3 長期(2030年代後半〜2040年以降)

  • 本格的普及期: 規制や認証が整備され、インフラも相応に充実。中型〜大型機が登場し、都市間シャトルや地方への移動手段として機能し始める。
  • 水素社会との連動: エネルギーシステム全体の脱炭素化が進めば、燃料電池eVTOLや水素タービンeVTOLが市場に参入し、さらに長距離航行や大型輸送にも対応。
  • 軍事・特殊用途の拡大: 技術的課題がクリアされ、偵察・輸送のみならず、災害支援や国際平和維持活動など多方面に活用が広がる。

9. まとめ

  1. 技術面

    • バッテリーや水素技術の進歩、制御システムや騒音対策などがeVTOL普及の鍵。特にバッテリーのエネルギー密度が上がるほど、フル電動機の航続距離と搭載量が伸び、普及速度に大きく寄与する。
  2. 市場面

    • アメリカと中東では投資と規制緩和のスピードが速く、商用運航の立ち上がりが早いと予想。ヨーロッパは環境規制が厳しい反面、政策的後押しも強力。日本は万博をきっかけに都市部・地方での実用化が進み、2030年代以降に拡大期へ。
  3. 軍事・防衛分野

    • 軽量・省エネ・静粛性の利点を活かした偵察・兵員輸送に徐々に導入される。長距離・大型輸送にはまだ技術的課題が多い。
  4. 搭乗員数と機体規模

    • 小型(2〜4名乗り)のフル電動が先行普及し、次第に中型(5〜9名乗り)へ拡大、大型(10名以上)は2040年前後に本格化する可能性。
    • 搭乗員数が増えるほどエネルギー需要が高まり、航続距離・安全基準・インフラ要件が厳しくなるため、ハイブリッドや水素モデルも並行して開発が進む。
  5. 将来ビジョン

    • 2040年代にかけて、短距離の都市内移動から中長距離移動まで、eVTOLが交通手段の一角を担う。将来的には自動運転・AI制御技術を用いた無人運航もあり得る。
    • 地域ごとの需要やインフラ整備状況、規制動向によって普及ペースが異なるが、世界的には2030〜2040年代に大きな市場が形成されるとの予測が一般的である。

結語

eVTOLは、現代の交通革命として大きな可能性を秘める一方、技術・規制・インフラ・社会受容といった複合的な要因が絡み合い、その普及は段階的に進むと考えられます。特に「搭乗員数」「航続距離」「パワートレインの選択」という三つの要素は、それぞれがトレードオフを生じるため、最適解は用途や地域によって異なるでしょう。

  • 小型機は早期実用化→中型・大型は2030年代後半以降
  • 都市内・短距離はフル電動優位→長距離・未整備地域はハイブリッドや水素
  • インフラ整備とバッテリー技術革新が進めば、2040年代以降はさらなる拡大へ

このように、eVTOLの普及は10〜20年単位の長期視点で捉える必要がありますが、それだけの時間と投資をかけるだけの価値がある分野とも言えます。最終的には、eVTOLが地上交通と航空交通のギャップを埋め、私たちの暮らしと社会を大きく変える潜在力を持っていると結論付けられます。

木曜日, 1月 30, 2025

中国AIスタートアップ「ディープシーク」、最新AIモデルを発表し米国テック株に影響

 2025年1月29日、中国のAIスタートアップ企業であるディープシーク(DeepSeek)が、新しいオープンソースの画像生成モデル「R1」を公開しました。

この発表は、米国の大手テック企業に対抗する動きとして注目を集め、米国およびオーストラリアのテック株に大きな影響を及ぼしました。

ディープシークの戦略と技術的特徴

ディープシークは、全てのモデルをオープンソース方式で提供する方針を採用しています。これにより、基本コードは開発者なら誰でも利用可能で、自由に修正できる体制を整えています。このアプローチは、米国のハイテク産業が優位性を維持してきた要因の一つであるオープンソース文化を取り入れたものであり、中国のハイテク産業においては異色の戦略と言えます。

創業者の梁文鋒氏は、「中国のAIが永遠に追随者の立場に甘んじることは許されない」と述べ、独自の技術革新を強調しています。ディープシークは、アプリ開発を避け、オープンAIと同等またはそれ以上の性能を持つモデルの創出に注力しています。この手法は、外国由来の革新的技術を活用し、本家よりも迅速に量産化を進めてきた従来の中国ハイテク産業とは一線を画しています。

市場への影響

ディープシークの「R1」モデルは、Nvidiaのチップ使用量を大幅に削減しながら、主要なAIモデルと同等の性能を実現しています。この発表を受け、Nvidiaの株価は約17%下落し、ナスダック総合指数は3%下落しました。また、S&P 500も1.5%の下落で取引を終了しています。これらの動きは、米国およびオーストラリアのテック株全体に対する不安感を増大させ、中国のAI技術の進展に対する市場の敏感な反応を示しています。

今後の展望

ディープシークの成功は、米国テック企業に対する競争圧力を高め、投資家心理に大きな影響を与えています。これにより、米国企業はAI技術の効率化とコスト削減にさらなる投資を行う必要性が高まるでしょう。技術革新がもたらす競争の激化は、AI分野全体の進化を促進しますが、同時に市場の不安定化や規制の必要性も浮き彫りにします。持続可能な成長を実現するためには、国際的な協調と倫理的なガイドラインの整備が不可欠です。

水曜日, 1月 29, 2025

NTTデータ、「NTT DATA Technology Foresight 2025」を公開

2025年1月28日、NTTデータは最新のテクノロジートレンド情報をまとめた「NTT DATA Technology Foresight 2025」を公開しました。

このレポートは、広範で客観的な情報収集を基に、ITを最大限活用して成長を続けるビジネスの現状を考察し、その未来を示す羅針盤として位置付けられています。

リニューアルのポイント

今回のリニューアルでは、以下の2点が強化されています:

  1. さらなるグローバル化:世界各地域での最新動向や現場の視点を反映し、地域ごとの特性を踏まえた精度の高いトレンドを導き出しています。

  2. トレンド提示から行動指針へ:トレンドを踏まえたネクストアクションの提案を盛り込み、技術をビジネス成果へ結びつける具体的なステップを示しています。

5つの主要トレンド

「NTT DATA Technology Foresight 2025」では、以下の5つのトレンドが紹介されています:

  1. 飛躍的な能力拡張:AIや機械学習、オートメーション技術により、人間の能力が時間やタスク、知識によって制約されない未来が実現します。

  2. 溶融するデジタル体験:カスタマージャーニーにおける全ての顧客との接点が、パーソナライズされた長期的な関係構築の起点となります。

  3. デジタルサステナビリティによる弾力的経営:テクノロジーが環境と経済成長を統合し、サステナブルな新たなビジネス戦略を生み出します。

  4. 知性を持つITインフラ:高度なクラウドコンピューティング技術とAI、人間の認知能力のシームレスな統合が実現します。

  5. 先読みするセキュリティ:サイバーセキュリティが従来の事後対応型から、積極的かつ予見的な戦略へ移行します。

今後の展開

NTTデータは、このレポートを活用し、世界中の顧客とともに未来像を描き、その実現に必要なテクノロジーやサービスの開発を進めています。具体的な事例として、オフィスワーカーの生産性向上を目指した「SmartAgent™」の実現や、「デジタルヒューマン上司」による社内コミュニケーションの活性化などが挙げられます。

「NTT DATA Technology Foresight 2025」は、新しいビジネスの創出や社会の変革に貢献するための重要な指針となるでしょう。

火曜日, 1月 28, 2025

GMO Flatt Security、GitおよびGitHub関連サービスの認証情報漏洩につながる6つの脆弱性を報告

 2025年1月27日、GMO Flatt Security株式会社のセキュリティリサーチャーであるRyotaK氏は、GitおよびGitHub関連サービスにおいて、認証情報の漏洩につながる6つの脆弱性を報告しました。

これらの脆弱性は、悪意のある攻撃者によって悪用された場合、ソースコードの流出や不正なコードの挿入など、重大なセキュリティリスクを引き起こす可能性があります。

報告された脆弱性の詳細

  1. CVE-2024-52006:Gitにおける、クレデンシャルヘルパーに対してキャリッジリターンを送信してしまう問題。

  2. CVE-2025-23040:GitHub Desktopにおいてキャリッジリターンの取り扱いが不適切であり、CVE-2024-52006と組み合わせることで認証情報が漏洩する問題。

  3. CVE-2024-50338:Git Credential Managerにおいてキャリッジリターンの取り扱いが不適切であり、CVE-2024-52006と組み合わせることで認証情報が漏洩する問題。

  4. CVE-2024-53263:Git LFSにおいて、クレデンシャルヘルパーに対して改行文字を送信してしまい、認証情報が漏洩する問題。

  5. CVE-2024-53858:GitHub CLIをGitHub Codespaces上で実行した際、任意のホストに対してGitHub.com用のアクセストークンを送信してしまう問題。

  6. GitHub Codespacesの脆弱性:GitHub Codespaces上に実装されているクレデンシャルヘルパーにおいて、ホスト名検証が行われておらず、認証情報が外部のホストに送信されてしまう問題。

影響とリスク

これらの脆弱性が悪用されると、以下のリスクが考えられます:

  • ソースコードの流出:機密性の高いソースコードが外部に漏洩し、知的財産の損失や競争力の低下を招く可能性があります。

  • 不正なコードの挿入:攻撃者が不正なコードをリポジトリに挿入し、エンドユーザーに被害を及ぼす可能性があります。

推奨される対策

該当するプログラムやサービスを利用している開発者や組織は、以下の対策を迅速に実施することが推奨されます:

  1. アップデートの適用:各プログラムやサービスの最新バージョンにアップデートし、脆弱性を修正してください。

  2. 認証情報の確認:不正アクセスの痕跡がないか、認証情報の使用履歴を確認してください。

  3. セキュリティ教育の強化:開発チームに対して、セキュリティ意識の向上と脆弱性に関する最新情報の共有を行ってください。

まとめ

今回報告された脆弱性は、世界中の開発者が利用するGitおよびGitHub関連サービスに影響を及ぼす重大なものです。開発者や組織は、迅速な対応と継続的なセキュリティ対策の強化を行い、安全な開発環境の維持に努めることが重要です。

月曜日, 1月 27, 2025

Oracle Javaの脆弱性とその対策について

 2025年1月22日、OracleはJava SEに関する複数の脆弱性に対処するセキュリティ更新プログラムを公開しました。

これらの脆弱性が悪用された場合、アプリケーションの異常終了や攻撃者によるシステム制御など、深刻な被害が発生する可能性があります。

対象となるバージョン

以下のJava SEバージョンが今回の脆弱性の影響を受けます:

  • Oracle Java SE 23.0.1
  • Oracle Java SE 21.0.5
  • Oracle Java SE 17.0.13
  • Oracle Java SE 11.0.25
  • Oracle Java SE 8 Update 431-perf
  • Oracle Java SE 8 Update 431

推奨される対策

影響を受けるシステムを保護するため、以下の対策を迅速に実施することが推奨されます:

  1. 最新バージョンへの更新:Oracleが提供する最新のJavaバージョンにアップデートしてください。具体的な手順は、Oracleの公式サイトで確認できます。

  2. ライセンスの確認:2019年4月16日以降、Javaのライセンス形態が変更されています。特に商用利用を行う組織は、ライセンス条件を確認し、必要に応じて有償サポートの導入を検討してください。

まとめ

Javaは多くのシステムやアプリケーションで広く利用されているため、今回の脆弱性の影響は大きいと考えられます。システム管理者や開発者は、早急に適切な対策を講じ、システムの安全性を確保することが重要です。

金曜日, 1月 24, 2025

2025年1月23日:主要IT関連ニュースの深掘り分析

 背景

2025年1月23日、IT業界ではいくつかの重要なニュースが報じられました。特に注目すべきは、トヨタがスマートシティの実証実験を開始する計画を発表したことです。これは、都市全体をデジタル化し、効率的な都市運営を目指す取り組みであり、IT業界のみならず社会全体に大きな影響を与える可能性があります。

詳細

トヨタは、2025年秋にも日本国内でスマートシティの実証実験を開始する予定です。このプロジェクトでは、最新のIT技術を活用し、交通、エネルギー、生活サービスなどを統合的に管理・最適化することを目指しています。具体的には、自動運転車の導入、再生可能エネルギーの活用、IoTデバイスによる生活支援サービスの提供などが計画されています。

影響

この取り組みが成功すれば、都市生活の質の向上や環境負荷の低減、さらには新たなビジネスチャンスの創出が期待されます。一方で、膨大なデータの管理やプライバシーの保護、サイバーセキュリティの確保など、解決すべき課題も多く存在します。IT業界にとっては、これらの課題に対応するための技術開発やサービス提供が求められるでしょう。

まとめ

トヨタのスマートシティ実証実験の開始は、IT技術の社会実装における重要なステップとなる可能性があります。今後の進展に注目し、関連する技術やサービスの動向を追っていくことが重要です。

木曜日, 1月 23, 2025

CTC、APIセキュリティ診断サービスを提供開始

 2025年1月22日、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は「Managed API Securityアセスメントサービス」の提供を開始しました。このサービスは、米Cequence SecurityのAPIセキュリティ製品群を活用し、ユーザー環境のリスク分析や脆弱性の可視化を行い、APIの安全な運用を支援するものです。


背景

近年、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)が進む中で、APIを通じたデータ共有やサービス連携が業務の基盤となっています。しかし、これに伴い、APIを狙ったサイバー攻撃やデータ漏洩のリスクも増加しており、多くの企業が適切なセキュリティ対策を必要としています。

サービスの特徴
CTCの「Managed API Securityアセスメントサービス」は、以下のような特徴を持っています:

  1. 総合的なリスク診断:
    Cequence Securityの製品を使用してAPIトラフィックをリアルタイムで監視し、脆弱性や攻撃パターンを特定。これにより、APIに関連する潜在的なリスクを可視化し、問題を事前に発見します。

  2. 柔軟な対応策の提案:
    診断結果に基づいて、具体的なセキュリティ対策を提案。脆弱性を特定するだけでなく、それに対処するための実行可能な計画を提供します。

  3. 継続的なモニタリングと改善:
    単発の診断に留まらず、長期的な観点でのモニタリングとリスクの低減をサポート。これにより、継続的なセキュリティ強化を実現します。

今後の展開
CTCは今後もAPIセキュリティ分野でのサービス拡充を目指し、企業のDX推進を支援する体制を強化していく予定です。また、APIセキュリティに関するセミナーや啓発活動を通じて、より多くの企業が効果的な対策を講じるための知識を普及させる計画です。

水曜日, 1月 22, 2025

2025年1月の主要ITセキュリティニュースまとめ

 2025年1月は、IT業界において複数の重要なセキュリティインシデントやシステム障害が報告されました。以下に主要な出来事をまとめます。

1. Microsoft製品の脆弱性対策

1月14日、Microsoftは月例のセキュリティ更新プログラムを公開し、159件の脆弱性に対処しました。特に、CVE-2025-21333、CVE-2025-21334、CVE-2025-21335の3件の脆弱性は既に悪用が確認されており、早急な更新が推奨されています。

2. 年末年始を狙ったDDoS攻撃の多発

2024年12月末から2025年1月2日にかけて、りそな銀行やみずほ銀行などの金融機関、さらに日本気象協会の「tenki.jp」などがDDoS攻撃を受け、サービスの停止や遅延が発生しました。年末年始のタイミングを狙った攻撃であり、各企業は対策の強化が求められています。

3. ガートナーが発表した2025年のセキュリティ課題

ガートナージャパンは1月8日、2025年に日本企業が取り組むべき12のセキュリティおよびプライバシーに関する重要論点を発表しました。AIの進化やグローバルな規制の変化を背景に、企業が直面するリスクと機会について包括的に捉えています。

4. JALのシステム障害

12月26日、日本航空(JAL)はDDoS攻撃を受け、手荷物の自動チェックイン機が一時的に使用不能となるシステム障害が発生しました。年末の混雑する時期に影響が出たことで、システムの堅牢性と迅速な対応の重要性が再認識されました。

これらの事象は、企業や組織が最新のセキュリティ情報を常に把握し、適切な対策を講じることの重要性を示しています。特に、脆弱性の早期修正やDDoS攻撃への備えなど、基本的なセキュリティ対策の徹底が求められています。

火曜日, 1月 21, 2025

2025年のIT業界における主要トレンドと課題

 2025年、IT業界は大きな変革期を迎えています。以下に、注目すべきトピックをまとめました。

1. 2025年の崖とシステム老朽化

経済産業省が指摘する「2025年の崖」は、企業が古いITシステムに依存し続けることで、DX(デジタルトランスフォーメーション)の遅れや経済損失を招くリスクを指します。特に、IT人材の不足やレガシーシステムの維持コスト増大が懸念されています。

2. Windows 10サポート終了の影響

2025年10月14日に予定されているWindows 10のサポート終了は、多くの企業にとって大きな課題となります。セキュリティリスクの増加やシステム移行の必要性が高まり、早急な対応が求められています。

3. AI技術の進化とエージェンティックAIの台頭

生成AIはさらに高度化し、自然な会話や複雑な画像・動画の作成が可能となっています。特に、自律的に行動する「エージェンティックAI」の登場により、業務効率化や新たなサービスの創出が期待されています。

4. クラウドコンピューティングの新時代

「マルチクラウド」や「ハイブリッドクラウド」の活用が進み、企業は柔軟なシステム運用を実現しています。しかし、システムの複雑化に伴うセキュリティリスクへの対策も重要となっています。

5. サイバーセキュリティの強化

サイバー攻撃の高度化に伴い、ゼロトラストセキュリティモデルの導入が進んでいます。また、量子暗号技術の進化により、より安全な通信手段の確立が期待されています。

6. スマートテクノロジーの急展開

「デジタルツイン」や「スマートシティ」の実現が進み、都市機能の効率化や新たなサービスの提供が可能となっています。これにより、私たちの生活はさらに便利で快適なものとなるでしょう。

2025年は、IT業界にとって革新と挑戦の年となります。企業はこれらのトレンドを踏まえ、柔軟かつ迅速に対応することが求められています。

火曜日, 1月 07, 2025

最新のサイバー攻撃事情:私たちに迫る脅威と対策

 最近のサイバー攻撃のトレンドを見ていくと、技術の進化とともに攻撃の手口も巧妙化しています。2023年から2024年にかけて目立った攻撃には、ランサムウェア、標的型攻撃、そしてAIの悪用による新たな脅威が含まれています。これらの攻撃は、個人情報の窃取、重要インフラへの妨害、さらには国家間の争いに利用されるケースもあり、私たちの日常生活に大きな影響を及ぼしています​​​。

ランサムウェア攻撃:増加する被害

ランサムウェアは、ファイルを暗号化し身代金を要求するタイプのサイバー攻撃です。特に2023年には、社会保険労務士向けのクラウドサービスや港湾のコンテナターミナルが被害に遭いました。このような攻撃はネットワークの境界にある脆弱性を悪用することが多く、個人や企業に多額の損害をもたらしています。

対策ポイント:

  • 定期的なバックアップを行う。
  • ソフトウェアを最新バージョンに更新し、脆弱性を減らす。
  • 不審なリンクやメールの添付ファイルに注意する。

標的型攻撃とAIの悪用

AIの進化に伴い、攻撃者はAIを利用してターゲットを絞った攻撃を仕掛けています。例えば、特定の企業や個人を狙ったフィッシングメールがより説得力を増しており、被害者が攻撃に気付くのが遅れるケースが増えています。また、生成AIを使った偽情報の拡散も確認されており、情報社会に混乱をもたらしています​​。

対策ポイント:

  • AIを活用したセキュリティ対策を導入する。
  • 社内トレーニングで従業員のセキュリティ意識を向上させる。
  • 不審なメールやリンクを通報する仕組みを整える。

まとめ

デジタル化が進む現代では、サイバー攻撃のリスクはさらに増大しています。しかし、適切な対策を講じることで被害を最小限に抑えることが可能です。個人も企業も、基本的なセキュリティ対策を実施することで、より安全なサイバー空間を築くことができます。

火曜日, 12月 10, 2024

コラム:AGIと高度なAIエージェントの違いを探る

 AI技術の進化に伴い、私たちはさまざまな場面でAIエージェントの恩恵を受けています。しかし、「高度なAIエージェント」と「AGI(汎用人工知能)」は同じものなのでしょうか?本コラムでは、この2つの概念の違いを整理し、それぞれが持つ特性とビジネスへの影響について考察します。


1. AGIと高度なAIエージェントの定義

AGI(汎用人工知能)とは?

AGIは、人間と同等またはそれ以上の汎用的な知性を持つAIを指します。特定のタスクに限定されず、どのような分野でも柔軟に学習し、新たな課題を自律的に解決できる能力を目指しています。AGIは次のような特徴を持つと考えられています:

  • 自己目的設定: 外部からの指示がなくても、新しい目標を設定できる。
  • 未知の課題への柔軟な対応: 未知の状況でも即座に適応し、創造的な解決策を考案できる。
  • 深い文脈理解と内省: 行動や目的を自ら評価し、改善する能力。

高度なAIエージェントとは?

高度なAIエージェントは、特定のタスクや目的に特化して設計されたAIです。現代のエージェントは、自然言語処理や画像認識、データ分析などの高度な技術を用いて、非常に効率的かつ柔軟に動作します。しかし、以下の点でAGIとは異なります:

  • 特定の目的に依存: 明確な目標やタスクが与えられないと機能しない。
  • 未知の状況には限定的: 訓練されたデータやプログラムの範囲内でしか対応できない。
  • 自己目的の欠如: 自律的に新たな目標を設定する能力はない。

2. 主な違い:汎用性と目的設定能力

(1) 汎用性の違い

高度なAIエージェントは、特定のタスクに最適化されています。たとえば、自動運転のAIは交通状況を解析し、安全な運転を実現するよう設計されていますが、これを医療分野に応用することはできません。一方で、AGIは汎用的な知性を持つため、自動運転から医療、さらには芸術創作まで、あらゆる分野で適応する能力を備えています。

(2) 目的設定能力の違い

AIエージェントは外部から与えられた指示に従って動作しますが、AGIは自ら目的を設定し、それを達成するための戦略を立てられます。この違いは、未知の課題への対応能力にも直結しています。AGIは状況の変化に応じて目標を柔軟に再設定できるため、より自律的に行動することが可能です。


3. ビジネス的な視点から見た違い

(1) AIエージェントの強み

高度なAIエージェントは、特定の課題解決において非常に効果的です。たとえば:

  • 自動運転(安全で効率的な車両操作)
  • カスタマーサポート(チャットボットによる対応の効率化)
  • 医療診断(特定の疾患の早期発見)

これらのAIは、明確なタスクを効率的に遂行するため、特化型のビジネス領域で即座に価値を発揮します。

(2) AGIがもたらす可能性

AGIは、特定の業界やタスクに限定されない汎用性を持つため、不確実性の高いビジネス環境で革新的な役割を果たす可能性があります。たとえば:

  • 複数の異なる分野を横断した新規事業の開発
  • 未知の市場や環境に適応する長期的戦略の立案
  • ビジネスのあらゆるプロセスでの統合的サポート

しかし、AGIはその汎用性の反面、技術的な難易度やコスト、倫理的な課題を伴います。


4. 技術的および哲学的な課題

(1) 技術的な課題

AGIを実現するためには、現在のAI技術を大幅に超えるブレイクスルーが必要です。特に、以下のような課題が指摘されています:

  • 汎用学習アルゴリズムの開発
  • 膨大な計算資源とデータの確保
  • 自然言語処理や知識統合のさらなる精度向上

(2) 哲学的な課題

「創造性」や「内省」といった人間らしい能力の本質は、現代の科学でも解明されていません。これをAIに再現させることは、技術的な課題に加え、次のような哲学的な問題を伴います:

  • AIに「意識」や「自己認識」が必要か?
  • AIが倫理的に適切な目的を設定するにはどうすればよいか?
  • AIと人間の関係性はどうあるべきか?

5. 結論:AGIと高度なAIエージェントは補完的である

高度なAIエージェントとAGIは、その特性や用途において明確な違いがあります。エージェントは特定のタスクに最適化された実用性があり、現在のビジネス環境では即座に効果を発揮します。一方、AGIは汎用性を持ち、より広範で不確実な課題に対応する可能性を秘めています。

しかし、AGIの実現は長期的な挑戦であり、技術的・哲学的な課題が多く存在します。そのため、ビジネスにおいては、短期的にはAIエージェントを活用しつつ、AGIの潜在的な可能性を視野に入れた戦略的準備を進めることが重要です。

水曜日, 3月 20, 2024

VTOL型固定翼ドローン関連記事メモ

 VTOL型固定翼ドローン関連で気になる記事が2つ出ていたので、メモです。

1つ目

記事としては少し古いのですが、以前このブログでも取り上げた空解のドローンを利用した、ドローン物流の実証実験の記事となっています。

以前のこのブログでの記事はこちら

このニュースのポイントは以下の3つです。
1.佐渡⇔新潟間の56kmという比較的長距離を輸送
2.2026年に定期運用したいという目標がある
3.現段階では「1便あたり1.5~3万円を目指す」という具体的な価格設定の話が出ている

取り敢えずやってみました!という感じの実証実験だけではなく、実際に事業として成り立つかを本格的に検討し、目標設定をしていることが分かります。まだまだ課題はありますが、ドローン物流の社会実装も近づいてきた感がありますね!

2つ目

こちらはタイトルまんまなのですが、航続距離1000kmのドローンの量産化を目指す、というのが凄いですね。2025年から量産化を行う計画とのことです。

以前のこのブログでは取り上げませんでしたが、テラ・ラボもVTOL型固定翼ドローンで有名でしたね。

しかし、1000kmというと、東京都心部から小笠原諸島の父島までの距離です。凄いです!ただ、じゃあ小笠原諸島への物資運搬に使えるのか?というと恐らくそれはなかなか難しくて、実際には災害時の空撮、遭難者の捜索支援、海上、海岸線の監視、などに活躍しそうな気がしますね!


両方とも遠くない未来の話なので、また先の楽しみが増えた感じです!

金曜日, 2月 23, 2024

HondaJetの出荷台数(2023年通年実績)

米航空機製造者協会(GAMA)より、2023年の一般航空機の出荷台数が公開されました。
ということで、早速我らがHondaJetの出荷台数を確認してみます。

ちなみに、2022年までのHondaJetの出荷台数は以下の記事に纏めています。

上記記事のポイントですが、2021年までは出荷台数が年間30台以上と順調に台数を伸ばしていましたが、2022年に年間の出荷台数が17台と少なくなってしまっていました。これは新モデル「HondaJet Elite II」の販売開始待ちではないか?と予想しました。
しかし、2023年度も四半期ごとの販売実績を見るとあまり伸びていない印象です。4Q含めた2023年実績はどうなったのでしょうか?

ということで、2023年のクォータ毎、及び合計の出荷台数、金額です。
2023年1Q:1台($6,950,000)
2023年2Q:9台($62,550,000)
2023年3Q:2台($13,900,000)
2023年4Q:10台($69,500,000)
---
2023年合計:22台($152,900,000)

1台あたりの金額は$6,950,000となりますので、出荷されている機体が全て最新モデルの「HondaJet Elite II」ということになりますね。

初出荷からの出荷台数を一覧にすると、以下のとおりです。 

2023年:22台(累計248台)
2022年:17台(累計226台)
2021年:37台(累計209台)
2020年:31台(累計172台)
2019年:36台(累計141台)
2018年:37台(累計105台)
2017年:43台(累計68台)
2016年:23台(累計25台)
2015年:2台(累計2台)

ようやく累計250台といったところでしょうか。
販売目標ラインは400〜500程度だと推測されますので、2020年代にはなんとか到達できるかな、といった感じでしょうか。

Honda Jet(HA-420)が属するVery light jet(超軽量ジェット機)の他の機種の2023年の販売台数は以下のとおりです。
  • Citation M2:25台
  • Phenom 100:11台
  • Cirrus SF50:96台
毎回書いていますがCirrus SF50は単発ジェット機ですし、ちょっとカテゴリ違いなので実質的な強豪は上2機種になります。もう少しでCitation M2にも勝てそうでしたが、このカテゴリで負けられないという旧セスナの意地を感じます。

HondaJet については「HondaJet Elite II」を大型化した「HondaJet Echelon」(旧名:HondaJet 2600)を2028年から販売する計画です。
2024年半ばから初号機の製造開始(初飛行は2026年予定)となるので、こちらも楽しみですね!

月曜日, 2月 12, 2024

実用化への準備が進む川崎重工製無人ヘリ「K-RACER」

 このブログでも何度か取り上げている川崎重工無人ヘリ「K-RACER」ですが、実用化に向けた実証実験が進んでいるようです。

以前取り上げたこのブログの記事はこちら

川崎重工の無人ヘリK-RACERは飛び立てるのか?

川崎重工の無人ヘリK-RACERと類似する航空機を比較してみる


現在最新の「K-RACER-X2」はペイロード200kgと国産無人航空機(ヘリ・ドローンタイプ)としては最大級のサイズです。


実証実験は「K-RACER-X1」の時から実施している長野県伊那市で昨年秋に実施されたようです。

無人ヘリコプターの実証機「K-RACER-X2」 国内最大となる200kgの貨物搭載能力を実証 川崎重工 2024年01月12日

川崎重工、無人VTOL実証機「K-RACER-X2」の飛行試験およびデモ飛行を実施。ペイロード200kgの大型物流ドローン DRONE 2023年11月14日


更に今年1月には自衛隊での実証実験も実施しています。

自衛隊、川崎重工の無人ヘリコプター「K-RACER-X2」の実証実験動画を公開 DRONE 2024年2月11日



このように実証実験は着々と進んでいるようですね。民需だけでも採算が取れるようにという話ではあった気がしますが、はやり防衛費が増えていることもあり自衛隊向けの活用も進みそうです。

今年元旦の地震でも改めて迅速な空輸での支援物資展開、また観測などが重要であることが改めて認識されました。こういった用途には無人ドローン、ヘリの活用が欠かせませんので、いち早く実用化されることを期待しています。

実用化にあたっては制度の問題が大きいと考えられます。このあたり、政治主導で国交省などがスムーズに動けるようにして欲しいですね。安全第一ではありますが、無人機に関しては飛ぶ場所を選べばコストなどとのバランスをみることができると考えています。

水曜日, 8月 30, 2023

HondaJetの出荷台数(2023年2Q実績)

 米航空機製造者協会(GAMA)より、2023年2Qの一般航空機の出荷台数が公開されました。一般航空機というのは、恐らく軍用など以外の民間用途、という意味でしょう。
ということで、我らがHondaJetの出荷台数を確認してみます。

ちなみに、2022年までのHondaJetの出荷台数は以下の記事に纏めています。

上記記事のポイントですが、2021年までは出荷台数が年間30台以上と順調に台数を伸ばしていましたが、2022年に年間の出荷台数が17台と少なくなってしまっていました。これは新モデル「HondaJet Elite II」の販売開始待ちではないか?と予想しましたが、どうでしょうか?

ということで、2023年のクォータ毎の出荷台数です。
2023年1Q:1台($6,950,000)
2023年2Q:9台($62,550,000)
上半期合計:10台

1Qは2022年から引き続き低い水準で1台ですが、2Qになり出荷台数が回復しています。1台あたりの金額は$6,950,000となりますので、出荷されている機体が全て最新モデルの「HondaJet Elite II」であることがわかります。

なお、Honda Jet(HA-420)が属するVery light jet(超軽量ジェット機)の他の機種の2023年上期の販売台数は以下のとおりです。
  • Citation M2:11台(1Q:5台、2Q:6台)
  • Phenom 100:3台(1Q:2台、2Q:1台)
  • Cirrus SF50:44台(1Q:18台、2Q:26台)
Cirrus SF50は少しジャンルが違う気がするので除くと、少なくとも2QについてはHondaJetが一番売れています。このままの勢いが続けは、2023年はHondaJetがVery light jetジャンルの出荷台数No.1を奪還できるかもしれません。Cirrus SF50などの単発エンジンの超軽量ジェット機を除くと、ですが。

ホンダは2028年、現在のHondaJetをより大型化したHondaJet 2600のリリースを計画しています。現在は1機種しか無いHondaJetですが、2600が提供されれば今後よりホンダの航空機事業が大きく拡大するでしょう。ホンダはeVTOLの開発も取り組んでいますし、今後が楽しみですね!

火曜日, 7月 11, 2023

大阪・関西万博で飛行予定のeVTOL4機種と現在の状況

 2025年に開催する大阪・関西万博(以下大阪万博)では目玉の1つとしてeVTOLの飛行が計画されており、今年の2月に運行事業者が決定しました。今回は2025年に運行を予定しているeVTOLの現在の開発状況と今後の予定を整理しておきます。


まず、万博で飛行する予定のeVTOLは以下の4つの機種となります。
  • Joby S4(運行事業者:ANA及びJoby Aviation)
  • VoloCity(運行事業者:JAL)
  • VX4(運行事業者:丸紅)
  • SD-05(運行事業者:SkyDrive)

それぞれ、解説していきます。
なお、紹介している仕様は開発中のものとなり、最終的に変わる可能性があります。

Joby S4(Joby Aviation S4)
Joby S4は米国Joby Aviation社が開発する、ベクトル推進タイプのeVTOLです。Joby Aviationにはトヨタが多額の出資をしており、現在外部筆頭株主となっており、取締役も出しています。先日、FAAよりJoby S4の量産初号機の飛行テスト許可を取得しており、現在最も型式証明取得に近いeVTOLです。今のところ2024年に米空軍での運用を開始、2025年に商業運航を開始する予定です。


主な仕様
  • パイロット:パイロット1名
  • 乗客数: 4名
  • 最高速度: 200 マイル/時 (322 km/h)
  • 航続距離: 150 マイル (241.4 km)
  • タイプ:ベクトル推進
  • 電源: リチウムニッケルコバルトマンガン酸化物バッテリー
  • 翼幅: 35 フィート (10.7 m)
  • 長さ: 24 フィート (7.3 メートル)
  • 最大離陸重量: 4,000 ポンド (1,815 kg)
ベクトル推進(ティルトローター)タイプのeVTOLのため、バッテリーのみの割に最高速度が速く、航続距離がそれなりに長いモデルです。価格は現時点で不明ですが、本モデルがeVTOLとして世に出る最初期の機種となりますので、価格を含め本モデルのスペックが今後登場するeVTOLとの比較のベースラインになると考えます。



VoloCityはドイツVolocopter社が開発する、マルチコプタータイプのeVTOLです。Joby S4が固定翼を持つベクトル推進、リフト&クルーズタイプのeVTOLの代表だとすると、VoloCityはマルチコプタータイプのeVTOLの代表です。今のところ2024年夏、パリオリンピックに合わせてパリで商業運航を開始する計画となっています。


主な仕様
  • 乗組員: 1名
  • 乗客数: 1名
  • 最高速度: 110 km/h
  • 航続距離: 35 km
  • プロペラ:18個
  • モーター:18個 Brushless DC electric motor (BLDC)
  • 電源: リチウムイオンバッテリー
  • ペイロード:200kg
  • 最大離陸重量:900 kg
マルチコプタータイプのため、速度、航続距離ともに控えめです。この航続距離30km程度というのが、バッテリーのみを動力とするマルチコプター型のeVTOLでは多くなっています。VoloCityの特徴の1つに9つのバッテリーパックを5分程度で載せ替えることが可能となっている、という点があります。充電が速くできます、というモデルは多いですが、このバッテリーを素早く載せ替えることで運航回転数を上げる、というアプローチをしているeVTOLは意外と他にない気がします。
ペイロード的に2名しか乗ることができないため、パイロット1名、乗客1名となってしまっているのがネックですね。パイロットレス運航(遠隔操作を含む)が実現化しないと、なかなか普及は難しそうです。むしろVoloCityを荷物運搬用にしたVoloDroneの方が売れるかもしれません。
Joby S4と同様に、VoloCityは商業運航を始める最初期のモデルとなると思いますので、価格を含め、このモデルの仕様がマルチコプタータイプeVTOLのベースラインになると考えられます。



VX4は英国Vertical Aerospace社が開発する、ベクトル推進タイプのeVTOLです。元々2022年に商業運航を計画していましたが、2021年には2024年の開始目標となっています。その後情報を見つけることが出来ませんでしたが、少なくとも万博が開催される2025年には商業運航開始を目標としていると考えられます。

主な仕様
  • パイロット:1 名
  • 乗客:4 名
  • 巡航速度:241 km/h
  • 最大速度:320 km/h
  • 航続距離:160 km以上
  • ペイロード: 450 kg
  • プロペラ: 8 基(前方プロペラ x4、後方プロペラ x4)
  • 電気モーター: 8 基
ベクトル推進タイプであること、乗員数がパイロット含め5名であることなど、Joby S4とかなりスペックが近いモデルです。最高速度はJoby S4と同じですが、航続距離は短くなっています。価格やその他事項を含め、Joby S4との差別化が実現できるかが、今後の成功可否を分けるポイントになると考えます。



国内ベンチャーであるSkyDrive社が開発する、マルチコプタータイプのeVTOLです。このeVTOLについては本ブログでも何度か取り上げています。

元々2025年に型式証明を取得する予定でしたが、2025年の万博は機体ごとの耐空証明で飛ばし、2026年の型式証明取得を目標としています。

主な仕様
  • パイロット:1名
  • 乗員:2名
  • 最大巡航速度:100km(対気速度)
  • 航続距離:約15km
  • 電源:バッテリー
  • 駆動方式:12基のモーター・ローター
  • 主要構造素材:複合材(CFRP)やアルミ合金など
  • 最大離陸重量:1,400kg
マルチコプタータイプですので比較対象はVoloCityとなります。元々パイロット含め2名でしたが、3名に仕様変更したため、そこはVoloCityと比較し優位性があります。ただ、なんといっても航続距離が短いことがネックになりそうです。往復を考えると片道5km程度しか飛ばすことが出来ませんので、現在のスペックでは使い所が限られそうです。航続距離が30-50km程度になれば、活躍の場が増えそうなのですが。

※動画は3人乗りに見直し前のデザインとなっています。

今回、2025年に開催される大阪万博で飛行予定のeVTOLをまとめましたが、こうやって整理してみると、リフト&クルーズタイプのeVTOLが無いですね。リフト&クルーズタイプを開発しているベンチャーも多いのですが、最初に型式証明を取得するのはBeta Technologiesあたりでしょうか。国内もホンダが開発を検討しているeVTOLはリフト&クルーズタイプですし、先日取り上げた国内ベンチャーであるHIEN Aero Technologiesが開発しているのも同タイプですね。

大阪万博で飛行予定のeVTOLは現在開発されている中では先頭を走り、最初に商業運航を行うことを目指している機種たちになります。この先頭集団が2024年、2025年のスタートを現在目指していますので、大阪万博が開催される2025年のタイミングがeVTOL元年になりそうですね。

日曜日, 7月 09, 2023

eVTOL開発の国内ベンチャー企業「HIEN Aero Technologies」

 以前「eTVOLの主なメーカー」という記事を書き、国内ベンチャーを含めeVTOLのメーカーを紹介しました。国内企業でeVTOLの有人テスト飛行を成功し、販売を計画しているのは、今のところSkyDriveteTra aviationの2社です。なお、teTra aviationは現在一人乗りのeVTOLのみとなっています。
一方で、まだ有人テスト飛行までたどり着いてはいませんが、eVTOLの開発を進めている国内のベンチャー企業はいくつかあります。今回はそのうちの1社である「HIEN Aero Technologies」を取り上げたいと思います。

正式名称は「HIEN Aero Technologies株式会社」で、2021年に設立した東京都小金井市に拠点を持つ新しい企業です。法政大学初のベンチャー企業で、同社の代表取締役である御法川学氏は法政大学理工学部機械工学科の教授でもあります。法政大学って、こういう学科もあるんですね。

同社が開発を進めているeVTOLは以下の特徴があります。
  • バッテリーのみではなく、ガスタービン発電を利用したシリーズハイブリッド方式とすることで長い航続距離を確保する
  • マルチコプタータイプではなく、リフト&クルーズタイプ
この2つの特徴はホンダが進めているeVTOLと同じなんですよね。しかも、同社は最終的にHIEN 6という6人乗りのeVTOLを2030年に市場投入することを目標としていますが、このスケジュール感もホンダのeVTOLの計画と同じです。ただ、ホンダの場合は2025年に事業化するか判断、となっているため、まだどうなるかは分かりません。
ちなみに、2030年にeVTOLの市場投入を目指しているベンチャーはもう1社神戸のスカイリンクテクノロジーズがあります。こちらも同じハイブリッド方式ですが、タイプはベクトル推進(ティルトローター機)です。

今回HIEN Aero Technologiesを取り上げたのは、いつの間にかホームページがリニューアルされ、今後の開発する機体、マイルストーンが明確に公表されているからです。今後開発が予定されている機体について、紹介します。

ガスタービンハイブリッド長距離大型UAV
  • 寸法:5000 x 3200 x 900 mm
  • 最大離陸重量:90kg
  • ペイロード:25kg
  • 最大速度:180km/h以上
  • 飛行時間:60分程度
  • 航続距離:150km以上
  • 給電能力:20kWh
  • 燃料:灯油(Jet-A1 / B)
  • デリバリー目標:2023年?
こちらは有人のeVTOLではなく、VTOL型固定翼ドローンとなります。昨年開催された「Japan Drone 2022」では2023年4月にデリバリー予定、とされていましたが、まだデリバリー開始とはなっていなそうなので、現時点で開発中、という感じでしょうか。

先日本ブログで「VTOL型固定翼ドローンのメーカー及びモデル」という記事を書きましたが、ペイロード25kgというのは以前の記事で取り上げたどのドローンよりもペイロードを持っており、航続距離150km以上、最大速度180km/h以上とマルチコプター型、バッテリー式のドローンよりも高い性能を持つため、製品化したらそれなりに活躍の場がありそうです。最大離陸重量90kgというのも所謂ドローンの範囲(150kg未満)に収まっているので、そこも良いですね。

2人乗りパーソナルeVTOL
  • 寸法:6000 x 9000 x 2500 mm
  • 最大離陸重量:600kg
  • ペイロード:150kg
  • 最大速度:180km/h以上
  • 航続距離:180km以上
  • 給電能力:50kWh
  • 燃料:灯油(Jet-A1 / B)
  • デモフライト目標:2025年
HIEN Dr-Oneの次は2人乗りの有人eVOLです。仕組みなどはほぼ変わらず、人が乗れるくらい大型化した、という感じですね。こちらは2025年の大阪万博でのデモフライトを目標に設定しています。あと2年しかありませんので、頑張って無人でデモフライト、という感じでしょうか。
こちらのモデルは正式に型式証明を取得して製品化を目指す、というよりも、後述する6人乗り開発のためのステップ、という位置づけだと考えられます。ただ、「川崎重工の無人ヘリK-RACERは飛び立てるのか?」でも取り上げていますが、最大離陸重量600kg以下の無人航空機向けに新たな型式証明の制度が制定されそうなので、これを無人機として活用する、というのも手かもしれません。

6人乗りコマーシャルeVTOL
  • 寸法:10000 x 16000 x 3200 mm
  • 最大離陸重量:2000kg
  • ペイロード:500kg
  • 最大速度:180km/h以上
  • 航続距離:180km以上
  • 給電能力:400kWh
  • 燃料:灯油(Jet-A1 / B)
  • デリバリー目標:2030年
HIEN Aero Technologiesが最終的に目標としているのが、このHIEN 6のデリバリーです。これはHIEN 2を更に大型化し、6人乗りとしたモデルです。最高速度、航続距離は一旦HIEN 2と同じ記載になっていますが、少なくとも航続距離はもっと長くすることを目標にしていると考えられます。もうすぐFAAの型式証明を取得しそうな「Joby Aviation S4」がバッテリーのみで5人乗り航続距離が240km程度なので、流石にそれは超えないと、という感じです。

コンセプトのeVTOL
  • 寸法:?
  • 最大離陸重量:?
  • ペイロード:1000kg
  • 最大速度:?
  • 航続距離:?
  • 給電能力:?
  • 燃料:灯油(Jet-A1 / B)
最後はコンセプトeVTOLです。結構eVTOLのベンチャー企業はこのようなコンセプトを提示しており、その企業の方向性が分かります。例えば国内で最もデリバリー開始に近いeVTOLベンチャーであるSKYDRIVEのコンセプトeVTOL「SD-XX CONCEPT」は2人乗りとなっています。これは多くの場所で離着陸可能な小型eVTOLを提供していく、というSKYDRIVE社の方針を感じさせますね。一方でこの「HIEN X」はペイロード1トン、10人乗りということで、より大型なeVTOLを開発、提供していく、という方針を感じさせます。個人的にはある程度のペイロードが必要なのでは?と思っている方なので、良いと思います!

ということで、今回はeVTOL開発に取り組むHIEN Aero Technologies社を紹介しました。ヘリコプター、固定翼機とも航空機は新規参入が難しく、世界的にも企業数が多くない業界です。特に日本はメーカーとして存在感はあまりありません。一方でeVTOLは新しいジャンルの航空機なので、これから恐らくこれから2030年代半ばにかけて様々なモデルが登場し、その後メーカーが統廃合されていくと予想されます(航空機メーカーの歴史的に)。1社でも多くの国内ベンチャーに有人eVTOLのリリースまでたどり着いて欲しいと思っているので、HIEN Aero Technologies社にも頑張って頂きたいと思います!大阪万博でデモフライトをするようであれば、ぜひ見に行きたいですね。

最後に、HIEN Aero Technologies社のPVです。

土曜日, 7月 08, 2023

富士通のクラウドなど各種サービスの稼働状況公開サイト

 富士通のクラウドサービス稼働状況がわかるサイトがいつの間にか公開されていました。

富士通のIaaS系サービス(FJcloud)だけでなく、データセンター、各種SaaSも対象となっており、幅広いサービスの稼働状況が一覧で確認できます。
何か調子がおかしいぞ、と感じたらこのサービスを確認するのが良いかもしれません。

木曜日, 7月 06, 2023

米国クラウド法(CLOUD Act)と各CSPの方針

米国クラウド法(CLOUD Act)とは何か、そして各CSP(クラウドサービスプロバイダー)の方針がまとまっているサイトを整理しておきます。

まず、米国クラウド法(CLOUD Act)とは何か?ですが、Chat GPTの回答を転記しておきます。
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「米国クラウド法(CLOUD Act)」は、2018年にアメリカ合衆国で制定された法律です。CLOUDは「Clarifying Lawful Overseas Use of Data」の略称です。
この法律は、主にクラウドサービスプロバイダー(CSP)に対して、アメリカ合衆国の法執行機関が保有するデータへのアクセスを提供する義務を課すことを目的としています。具体的には、CLOUD Actは以下のようなポイントを含んでいます。
  1. 法執行機関へのデータ提供要求: CLOUD Actによれば、アメリカ合衆国の法執行機関は、自国内または海外に保存されたデータに対して、クラウドサービスプロバイダーに対してデータ提供要求を行うことができます。これにより、アメリカの法執行機関は、刑事捜査や国家安全保障の目的で、アメリカ国外に保存されたデータにもアクセスできるようになります。
  2. 国際データ要求の枠組み: CLOUD Actは、アメリカ合衆国政府が他の国と相互にデータ提供要求を行うための枠組みを提供しています。この枠組みに基づき、アメリカ合衆国は他の国と相互にデータ提供要求を行い、アメリカのクラウドサービスプロバイダーに対してデータを提供することができます。
  3. 反対要求と対処手続き: CLOUD Actは、クラウドサービスプロバイダーがデータ提供要求に対して反対する場合の手続きを明確化しています。CSPは、適法性やプライバシー保護などの理由で要求に反対することができますが、一定の手続きを経て法廷で争われる可能性もあります。
CLOUD Actは、デジタル時代の国際的なデータアクセスとプライバシーの問題を扱うために制定された法律であり、アメリカ合衆国の法執行機関とクラウドサービスプロバイダーの間のデータ提供手続きを明確化しています。ただし、この法律には懸念や議論も存在し、個人のプライバシー保護や国際的なデータの取り扱いに関する懸念も存在しています。したがって、法執行機関とクラウドサービスプロバイダーの関係や、個人や組織のデータプライバシーに関心のある人々にとって、CLOUD Actの影響や適用範囲を理解することは重要です。
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良くまとまっていますね。もっとざっくり書くと、米国に本社がある通信プロバイダー、CSPは米国の司法当局の要請により、米国外の環境のデータも提示する義務がある、という法律です。もちろん、各メガクラウドの日本国内リージョンも対象です。
そのため、日本政府のシステムを配置するガバクラに米国CSPが提供するクラウドしか選定されていない現状について、安全保障上問題があるのではないか?という議論も起きています。

次に、各CSPの米国クラウド法(CLOUD Act)に関するサイトのリンクをまとめておきます。
Azureは日本語のサイトが見つからなかったんですよね。結構国内でも気にする方が多いと思うのですが。。大手ユーザーは担当営業に確認しろ!ということかもしれません。Azureサポートには担当営業に質問して下さい、と言われてしまいました😁

水曜日, 7月 05, 2023

インダストリ・クラウド・プラットフォームとは?

 インダストリ・クラウド・プラットフォームというキーワードについて調べていたのですが、なんかChat GPTの回答が一番まとまっていて分かりやすい。

インダストリ・ クラウド・プラットフォームという言葉は、ガートナーの2023年戦略的テクノロジートレンドとして出てくる言葉です。

名前の通り、汎用クラウドではく、特定インダストリ(業界)向けのクラウドサービスのことです。

Chat GPTの回答を見てみましょう。
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インダストリ・クラウド・プラットフォームは、特定の産業(インダストリー)に特化したクラウドベースのテクノロジープラットフォームのことを指します。これは、特定の業界のニーズや要件に適合するように設計され、その業界に関連するアプリケーション、サービス、およびソリューションの提供を可能にするように構築されています。

インダストリ・クラウド・プラットフォームは、従来の汎用的なクラウドプラットフォーム(例:Amazon Web Services、Microsoft Azure、Google Cloud Platformなど)とは異なり、特定の産業セクターに特化しています。これにより、その業界の企業や組織が、より効率的かつスケーラブルなソリューションを開発、導入、管理できるようになります。

これらのインダストリ・クラウド・プラットフォームは、以下のような特徴を持つことがあります:
  1. 業界固有のアプリケーションとサービス:特定の業界に特化したアプリケーションやサービスが提供されています。たとえば、ヘルスケア業界向けの電子健康記録システム、製造業向けの生産ライン管理ソリューションなどが挙げられます。
  2. データセキュリティとコンプライアンス:産業はしばしば特有の規制とセキュリティ要件を持っています。インダストリ・クラウド・プラットフォームは、これらの要件に準拠し、データセキュリティとプライバシーを保護するためのツールや仕組みを提供します。
  3. 業界エコシステムの統合:特定の産業に特化したプラットフォームは、業界内のさまざまなステークホルダー(企業、サプライヤー、顧客など)を統合することにより、よりシームレスなコラボレーションとビジネスプロセスの改善を可能にします。
  4. AIと分析機能:データ駆動の意思決定が重要な産業では、AI(人工知能)と高度なデータ分析機能が重要です。インダストリ・クラウド・プラットフォームは、これらの機能を提供して、より洞察力のある意思決定を支援します。
代表的なインダストリ・クラウド・プラットフォームには、以下のようなものがあります:
  • ヘルスケア業界向け:Epic、Cernerなど。
  • 製造業向け:Siemens Mindsphere、SAP Manufacturing Cloudなど。
  • 農業向け:IBM Watson Decision Platform for Agricultureなど。
これらのプラットフォームは、各産業のニーズを具体的に理解し、効率化、革新、競争力の向上に貢献することを目指しています。
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分かりやすいですね。

企業の用語解説だと、その企業の製品・サービスに繋がる解説がされていることが多いので、内容が偏っていることが多いです。Chat GPTの回答だと俯瞰的な回答で、良い感じですね。