日曜日, 11月 26, 2006

MacのCMを見ていたら、何かカチンと来た。

とりあえず、こちらのMacのCMを見てください。下のほうにあるウイルスってやつです。
Macをはじめよう アップルコンピュータ

何か、ちょっとカチンと来ませんか?私はMacを現在利用してはいませんが、初めて触ったパソコンがMacだったということもあってMacは結構好きなつもりです。それでも、セキュリティの仕事をしているからか、ここまで言っていいのかな?と思います。アップルコンピュータのサイトにウイルスに関する記述があったので、ちょっとご紹介します。
2005年末までにMac以外のOSで確認されたウイルスは114,000種類。しかも、2006年3月だけで850種類の新しいウイルスが検出されました。一方、Macはゼロ。インターネットに接続しても100%攻撃を受けないコンピュータはありませんが、Mac OS Xが搭載されているMacなら、優れたUNIX基盤と他のパソコンを凌ぐセキュリティ機能により、ウイルスに感染する心配はありません。
ウイルスの悩みを解消。 アップルコンピュータ

うーん、Mac OSも感染するウイルスって、Windows(Mac以外のOS)に比べれば圧倒的に少ないものの、時々出ていた気もするんですけどね。今年はMac OS Xに感染するウイルスも初登場した気がします。
初のMac OS Xウイルスが出現 ITmediaエンタープライズ 2006年02月17日
OSX.Leap.A シマンテック (シマンテックのウイルス情報)

まあ、感染力が弱かったたこともあり、実際に感染して被害に遭ったというニュースは聞かなかったですけどね。

さて、私はMacのウイルスが少ないのはOSがセキュアだからということだけではなく、シェアがWindowsと比べて圧倒的に少ないからではないかと思います。だって、Mac OSにもなんだかんだ言って脆弱性は発見されているんですから。単に、Mac OSの脆弱性を狙ったウイルスが作成されていないだけな気がします。
Mac OS Xに危険度の高い脆弱性、検証用コードも既に公開 INTERNET Watch 2006年11月22日

もちろん、今までに発見されている全ての脆弱性に対して、対応セキュリティパッチが公開されているでしょうけどね。
セキュリティアップデート アップルコンピュータ

それにしても、セキュリティアップデートを出しているということは、OSに脆弱性があることを認めているわけです。それなのにウイルスにかからないと宣伝しているのは、私には「脆弱性があってもMac向けのウイルスは出てきません。だって、(シェアがないために)攻撃者が相手にしませんから。」といっているような気がして仕方がないのです。確かに、それも一つのセキュリティ対策なのかもしれません。しかし、最近は攻撃がスピア型になりつつあると言われていますし、もしかしたらどこかに暇なクラッカーがいるやも知れません。また、過去にはアップルコンピュータにははた迷惑なコンテストが企画されたこともあります。
Mac OS Xウイルス作成コンテスト、法的責任問題で中止に ITmedia ニュース 2006年3月29日

そういえば、MS Office for Macってマクロウイルスなどは動くのでしょうか?こういったアプリ側のセキュリティ対策はどうなっているのでしょうかね。

さて、ここまで散々Macに対して否定的なコメントをしてきましたが、冒頭にも記述したとおり私はMacが嫌いというわけではありません。むしろ家で使うPCはMacにしようかなと思ってすらいます(諸事情のために当分無理ですが・・・)。私が言いたいことは、例えMacユーザであってもウイルスやその他の脅威に対して傲慢にならないで欲しいということです。「私はMacを使っているから大丈夫。」こういった傲慢さが被害を生み、また被害を大きくするのです。

また、この傲慢にならないで欲しいということはユーザだけでなく、アップルコンピュータ自身にも言えることです。次のコラムにこういったことがまとまっています。
Macウイルス登場、そのときAppleは? ITmediaエンタープライズ2006年2月23日

しかしまあ、Macを使っているお客さんに、「Macもウイルスにかかる可能性があるから対策ソフトを入れましょう!」とはなかなか言えなんですけどね。理想と現実は概して異なるものなのですよ。

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