次期WindowsOSであるWindows Vistaには「BitLocker Drive Encryption」という機能が搭載されます(ただし、Windows Vista EnterpriseとWindows Vista Ultimateの2つのバージョンのみ)。この「BitLocker Drive Encryption」、どのような機能かと言いますと、ボリュームを暗号化する機能です。「そんなのEFSでできるじゃない」という声が聞こえてきそうですが、この新機能がEFSと違うのはEFSでは暗号化を行うことができなかったWindwsのシステムファイル領域を暗号化することが可能という点です。つまり、今まではEFSを利用してファイルを暗号化していても以下の手順でクラッカーは入手したPCからファイルを盗むことが可能でした。
- CDからブートできるOSを利用して、Windowsのシステムファイル領域にアクセス
- パスワードのハッシュ値を入手
- パスワードを解析
- 入手したパスワードでPCにログオン
- ファイルにアクセス
さて、ここで気になるのは現在持ち出しPCのセキュリティ対策として販売されているHD暗号化製品たちの行方です。これらの製品にはSafeBoot(マクニカネットワークスのページ)、pointsec(NECソフトのページ)、CompuSec(キャノンシステムソリューションズのページ)などの製品があります。現在、こういった製品を持ち出しPCのセキュリティ対策として導入している企業・団体が多いようなのですが、実はこういった製品のライセンス料はとっても高いんですよね。これと同じような機能が(多少機能や利便性が下がったとしても)Windowsにデフォルトで搭載されるようになるならば、こういった製品にわざわざお金を出して買ってくれる企業・団体は少ないのではないでしょうか。まあ、「BitLocker Drive Encryption」という機能が非常に使いにくいというなら話は別ですけどね。
<参考>
OSボリューム全体を暗号化するVistaの情報漏えい対策 IT media 2006年5月12日
EFSとは IT用語辞典 e-Words
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