水曜日, 9月 02, 2026

紅白2026を予想する ― 確定情報だけを積み上げて出場歌手と歌唱曲を全部挙げてみた

今年の大みそかに放送される見込みの「第77回NHK紅白歌合戦」に、誰が出て、何を歌うのか。9月1日時点でNHKからの正式発表は何ひとつ出ていません。司会もテーマも出場歌手も、すべて未発表です。それでも予想が成り立つのは、紅白の選考が「その年のチャート実績」「NHKのタイアップ」「アニバーサリーと節目」という、かなり見通しの立つ材料の上に乗っているからです。

本記事では、Billboard JAPANの2026年上半期チャート、朝ドラ主題歌、前回(第76回)の出場実績といった確認できる事実だけを土台にして、紅組・白組それぞれの出場歌手と歌唱曲を実名で並べます。当たり外れよりも、「どの事実からどの予想が導かれるか」を追えるようにすることを優先しました。

結論から書くと、ほぼ動かないと見ているのは米津玄師、Mrs. GREEN APPLE、M!LK、HANA、そして後期朝ドラ「ブラッサム」の主題歌を担当するYOASOBIの5組です。逆に最大の不確定要素は、2年連続で辞退したSnow Manが今年どうするか。この1組の去就で、白組の構成はかなり変わります。

本記事の出場歌手・歌唱曲の一覧は、公開情報にもとづく筆者の推定であり、精密な予測ではありません。確定情報ではない点にご注意ください。例年どおりであれば出場歌手の発表は11月中旬、曲目は12月中旬、曲順は12月下旬です。前回(第76回)は11月14日に出場歌手、12月19日に曲目、12月26日に曲順が発表されました。

1. 前回(第76回)の結果を確認する

予想の基準線として、2025年12月31日に放送された第76回を押さえておきます。テーマは放送100年にちなむ「つなぐ、つながる、大みそか。」。出場は紅白合わせて37組で、うち初出場が10組でした。司会は綾瀬はるか、有吉弘行、今田美桜、鈴木奈穂子アナウンサー。

大トリは白組のMrs. GREEN APPLEで「GOOD DAY」を歌唱。紅組トリは7年連続のMISIAで「Everything」「アイノカタチ」のスペシャルメドレーでした。特別企画には堺正章、氷川きよし、星野源、矢沢永吉、松任谷由実、玉置浩二が登場し、加えて松田聖子が「青い珊瑚礁」を、福山雅治と稲葉浩志が「木星 feat.稲葉浩志」を披露しています。第2部の平均世帯視聴率は関東地区で35.2%、前年から2.5ポイント上昇しました。

初出場は、紅組がアイナ・ジ・エンド、幾田りら、aespa、CANDY TUNE、ちゃんみな、HANA、ハンバート ハンバート、FRUITS ZIPPERの8組、白組が&TEAMとM!LKの2組。トップバッターは紅組がCANDY TUNE「倍倍FIGHT!」、白組が新浜レオンでした。STARTO ENTERTAINMENT勢は3年ぶりの復帰となり、King & Princeが出場しています。

この回の出場回数は、今年の「〇年連続〇回目」を推定する起点になります。公式に示された主な数字は次のとおりです。

アーティスト 第76回の回数 歌唱曲 今年出場した場合の位置づけ
石川さゆり 48回目 天城越え 49回目。50回目の節目は来年に控える
坂本冬美 37回目 夜桜お七 ほか 38回目
天童よしみ 30回目 あんたの花道 31回目
MISIA 10回目 Everything/アイノカタチ 11回目。紅組トリの定位置
乃木坂46 11回目 Same numbers 12回目
米津玄師 3回目 IRIS OUT 4回目
Mrs. GREEN APPLE 3回目 GOOD DAY 4回目。大トリ連投の可能性
福山雅治 18回目 クスノキ-500年の風に吹かれて- 19回目
三山ひろし 11回目 酒灯り(けん玉世界記録第9回) 12回目。けん玉企画は第10回に
King & Prince 6回目 What We Got ~奇跡はきみと~ 7回目
BE:FIRST 4回目 夢中 5回目
Number_i 2回目 GOD_i 3回目
ILLIT 2回目 Almond Chocolate 3回目
LiSA 4回目 残酷な夜に輝け 5回目

2. 2026年上半期チャートが示す勢力図

6月5日に発表されたBillboard JAPANの2026年上半期チャート(集計期間2025年11月24日〜2026年5月24日)が、今年の選考の最大の材料です。総合ソングチャート「JAPAN Hot 100」の首位は米津玄師「IRIS OUT」。劇場版『チェンソーマン レゼ篇』主題歌として2025年9月にリリースされ、総合ポイント199,839pt.で、2位のM!LK「好きすぎて滅!」(143,142pt.)に約57,000pt.差をつけました。指標別ではストリーミングが総ポイントの約68%を占めています。

アーティストチャート「Artist 100」はMrs. GREEN APPLEが3年連続首位で、上半期チャート史上初。2位はデビュー1年余りのHANA、3位はトップ100に14曲を送り込んだback numberでした。週間首位を獲得したのは米津玄師、Mrs. GREEN APPLE、Number_i、Snow Man、M!LK、BE:FIRST、嵐、King Gnu、=LOVE、乃木坂46。この10組は、そのまま今年の出場候補リストとして読めます。

順位 曲名 アーティスト 紅白との関係
1 IRIS OUT 米津玄師 第76回で歌唱済み。今年は別曲になる公算
2 好きすぎて滅! M!LK 23週連続トップ10。今年の歌唱本命
3 lulu. Mrs. GREEN APPLE 『葬送のフリーレン』第2期OP
4 AIZO King Gnu 白組の有力候補
5 Blue Jeans HANA HANAはトップ100に11曲
6 爆裂愛してる M!LK トップ10に2曲送り込み
7 ROSE HANA
8 革命道中 アイナ・ジ・エンド 第76回でも歌唱
9 JANE DOE 米津玄師, 宇多田ヒカル コラボ枠が実現すればサプライズ
10 カリスマックス Snow Man 2年連続辞退。今年も不透明
13 夢中 BE:FIRST 第76回で歌唱済み
14 3XL Number_i 今年の歌唱候補
15 Five 5月31日に活動終了。出場はない
16 怪獣 サカナクション 白組の候補
17 ダーリン Mrs. GREEN APPLE 大トリ候補曲
19 ブルーアンバー back number トップ100に14曲の最多タイ
35/37 とくべチュ、して/劇薬中毒 =LOVE 初出場の最有力
41/44 プロポーズ/セレナーデ なとり 初出場の対抗馬
52 風と町 Mrs. GREEN APPLE 前期朝ドラ「風、薫る」主題歌

もう一つ、今年の上半期チャートには構造的な特徴がありました。2019年以前にリリースされた楽曲がトップ100内に27曲入り、前年同期の20曲から大きく増えています。back number「花束」(2011年)や「恋」(2012年)、スピッツ「楓」「チェリー」、KinKi Kids「愛のかたまり」といった20年以上前の楽曲までチャートインしました。紅白の選曲でも、新曲より過去のヒット曲が選ばれる余地が例年より広いと見ておくべきでしょう。

CDセールス面では、Snow Man『BANG!! / SAVE YOUR HEART / オドロウゼ!』が上半期Top Singles Sales首位(98万枚超)、アルバムはBTS『ARIRANG』が70.6万枚で首位でした。ストリーミング主導のロングヒットと、フィジカル主導の大量セールスが別の層を形成している構造は今年も変わっていません。

3. NHKタイアップという確定ルート

紅白の選考で最も読みやすいのが、NHK自身のタイアップです。今年は3本が確定しています。

  • 前期朝ドラ「風、薫る」主題歌:Mrs. GREEN APPLE「風と町」。3月30日の初回放送で解禁。同バンド初の朝ドラ主題歌です。
  • 後期朝ドラ「ブラッサム」主題歌:YOASOBI。7月23日に発表され、楽曲の原作小説を綿矢りさが書き下ろしました。作家・宇野千代をモデルにした物語で、主演は石橋静河。秋放送開始のため、大みそかには放送のまっただ中にあります。
  • 2026 NHKサッカーテーマ:米津玄師「烏」。W杯に合わせて書き下ろされた楽曲です。

このうちYOASOBIは、朝ドラ主題歌ルートとしてはほぼ確定枠と見てよいでしょう。米津玄師については、7月13日に配信リリースされた映画『キングダム 魂の決戦』主題歌「夜鷹」と、NHKサッカーテーマ「烏」のどちらを歌うかという選択になります。NHK側の事情を優先するなら「烏」、話題性を優先するなら「夜鷹」。筆者は「夜鷹」をやや優位と見ますが、ここは五分に近い判断です。

4. 紅組の出場歌手・歌唱曲予想

以下、紅組の予想です。「確度」はA(ほぼ確実)、B(有力)、C(当落線上)の3段階で、いずれも筆者の主観的な評価です。

アーティスト 予想歌唱曲 根拠 確度
HANA Blue Jeans 上半期Hot 100 5位、Artist 100 2位、トップ100に11曲。2年連続 A
YOASOBI 朝ドラ「ブラッサム」主題歌 後期朝ドラ主題歌。放送中の大みそかは出場の定番ルート A
MISIA スペシャルメドレー 7年連続で紅組トリ。11回目の出場 A
石川さゆり 津軽海峡・冬景色 49回目。前回が「天城越え」のため代表2曲の交互で A
=LOVE とくべチュ、して 国立競技場2daysで13.2万人動員、「劇薬中毒」が両チャート週間1位・出荷50万枚超。初出場最有力 B
あいみょん マリーゴールド 11月30日にメジャーデビュー10周年、同日に武道館公演 B
アイナ・ジ・エンド 新曲 上半期8位「革命道中」を前回歌唱済み。2年連続 B
ちゃんみな SAD SONG Hot 100に4曲、Hot Albumsに2作。2年連続 B
乃木坂46 最後に階段を駆け上がったのはいつだ? 12回目。同曲が上半期88位、週間首位も獲得 B
いきものがかり 超ありがとう デビュー20周年イヤー。初の主催フェスと47都道府県ツアーを開催中 B
ILLIT 新曲 3回目。「Almond Chocolate」が上半期73位 B
CANDY TUNE 倍倍FIGHT! 前回トップバッター、同曲が上半期42位 B
FRUITS ZIPPER はちゃめちゃわちゃライフ! 同曲が上半期68位。2年連続 B
幾田りら 恋風 同曲が上半期45位でロングヒット。2年連続 B
坂本冬美 代表曲 38回目。演歌枠の固定席 B
天童よしみ 企画付き演歌 31回目 B
水森かおり ご当地ソング+大仕掛け企画 前回はドミノチャレンジを実施 B
LiSA アニメ主題歌 5回目。アニメ枠の常連 B
CUTIE STREET かわいいだけじゃだめですか? 前回逃した初出場枠の候補。ただしチャート面の裏付けは=LOVEに劣る C
櫻坂46 The growing up train 同曲が上半期91位 C
日向坂46 クリフハンガー 同曲が上半期95位 C
aespa 新曲 前回初出場。K-POP女性枠の維持数次第 C

5. 白組の出場歌手・歌唱曲予想

アーティスト 予想歌唱曲 根拠 確度
Mrs. GREEN APPLE ダーリン(大トリ) Artist 100 3年連続首位、「lulu.」上半期3位、朝ドラ主題歌「風と町」。4回目 A
米津玄師 夜鷹 上半期首位「IRIS OUT」からの最新映画主題歌。対抗はNHKサッカーテーマ「烏」。4回目 A
M!LK 好きすぎて滅! 上半期2位、23週連続トップ10。前回の紅白出演がブレイク要因の一つ A
Number_i 3XL 同曲が上半期14位、週間首位も獲得。3回目 A
King Gnu AIZO 上半期4位、週間首位獲得 B
BE:FIRST BE:FIRST ALL DAY 5回目。上半期40位、週間首位獲得。「夢中」は前回歌唱済み B
King & Prince Theater 7回目。同曲が上半期23位。STARTO勢の紅白窓口 B
back number ブルーアンバー Artist 100 3位、トップ100に14曲でカタログ需要も突出 B
サカナクション 怪獣 上半期16位。「いらない」79位、「夜の踊り子」90位と複数曲がチャートイン B
&TEAM 新曲 2年連続。上半期Top Albums Salesで2位 B
福山雅治 代表曲 19回目。前回は白組トリ前の重要枠 B
なとり プロポーズ 上半期41位・44位に2曲。白組の初出場候補筆頭 B
Vaundy 怪獣の花唄 同曲が上半期39位とロングヒット継続 B
Official髭男dism らしさ 同曲が上半期46位 C
純烈 コーラス歌謡 9回目。中継企画との相性がよい B
三山ひろし 演歌+けん玉企画(第10回) 12回目。前回が第9回のため節目の第10回 B
新浜レオン 演歌歌謡 前回は白組トップバッター C
秦基博 代表曲 いきものがかりの20周年フェスにも出演。アニバーサリー枠の候補 C
Snow Man BANG!!/カリスマックス 上半期シングルセールス首位、「カリスマックス」が総合10位。ただし2年連続で辞退 C
藤井風 新曲 国内テレビ露出が限定的でチャート上も上半期トップ100に不在。サプライズ枠 C
郷ひろみ 2億4千万の瞳 ほか 前回も出場。恒例のベテラン枠 B
ORANGE RANGE 新曲または代表曲 4回目。「イケナイ太陽」が上半期69位で余熱あり C

6. 特別企画枠と司会

近年の紅白は、紅白対抗の外側に置かれる特別企画枠が実質的な目玉になっています。第76回は6組に加えて松田聖子と福山雅治×稲葉浩志のコラボがあり、この枠だけで番組後半の相当部分を占めました。

今年の候補として筆者が挙げるのは次のとおりです。いずれも推定であり、確定情報ではありません。

  • 氷川きよし:2022年末に活動休止、2024年8月に再開。今年は1月31日の明治座を皮切りに御園座、新歌舞伎座、博多座と、活動再開後初の座長公演を4月30日まで巡り、新曲「ほど酔い酒」なども披露しました。前回の特別企画から正規枠への復帰は十分あり得ます。
  • Mr.Children:「Again」が上半期34位。カタログ需要の拡大という今年の傾向とも合致します。
  • 玉置浩二:「ファンファーレ」が上半期26位。前回の特別企画がチャートにも波及した形で、再登場の下地はあります。
  • 米津玄師×宇多田ヒカル:「JANE DOE」が上半期9位。コラボ実現なら今年最大級のサプライズです。

司会については、8月5日に東京スポーツが、NHKが水面下で二宮和也を推していると報じました。根拠として挙げられたのは、男性司会の人選に3年周期があること(2020〜22年が大泉洋、2023〜25年が有吉弘行)、「夏の紅白」と呼ばれる大型音楽特番「NHK夏の音楽祭 うたであえたら」(8月15日)の司会に二宮が大森元貴、北川景子とともに起用されたこと、そして嵐との縁の3点です。実現すれば2017年以来9年ぶりの紅白司会となります。ただしこれは観測記事であり、NHKの公式発表ではありません。

7. 出場が見込めない、あるいは逆風のアーティスト

今年の紅白で最も大きな空白は嵐です。2020年12月31日の活動休止から2025年5月に再開し、2026年3月から5大ドーム15公演の「We are ARASHI」を実施、5月31日の東京ドーム公演で26年半の活動に幕を下ろしました。ラストシングル「Five」は上半期Hot 100で15位、ダウンロードソングチャートでは首位を獲得しています。チャート上の存在感は大きいものの、グループとしての活動が終わっている以上、出場はありません。

Snow Manは今年最大の不確定要素です。上半期のシングルセールス首位、総合チャートにも「カリスマックス」10位、「オドロウゼ!」50位、「BANG!!」65位、「STARS」89位と4曲を送り込んでいます。にもかかわらず、第76回では11月13日から14日にかけて出場しない意向が報じられました。NHK側はオファーを出していたとされます。2023年と2024年は大みそかにYouTube生配信を実施しており、紅白に依存しない年末の形をすでに確立している点が、今年の判断にも影響します。

演歌枠では、前回の出場歌手に名前がなかった山内惠介の復帰があるかどうかが焦点です。また、活動休止や解散を発表したバンドが今年は目立ち、出場候補の母数そのものが減っています。

8. 予想を修正すべきタイミング

この予想は9月時点の材料で組んだものです。年末までに次の4つのイベントが発生し、そのたびに確度は動きます。

  • 10〜11月の「うたコン」出演状況:NHKの音楽番組への露出は毎年、出場の先行指標として機能します。
  • 11月中旬の出場歌手発表:前回は11月14日。ここで大枠が確定します。
  • 12月上旬のBillboard JAPAN年間チャート:上半期と下半期で勢力図が変わっていれば、歌唱曲の予想を組み直す必要があります。
  • 各事務所の参加方針:STARTO ENTERTAINMENTとK-POP各社の方針次第で、白組の構成は大きく振れます。

まとめ

今年の紅白は、上位への集中がさらに進んだチャート構造の上に組まれることになります。上半期Hot 100のトップ100累計ポイントは前年比で約16%減った一方、1位と100位のポイント差は約8.0倍から約9.5倍へ拡大しました。少数の巨大なヒットと、20年前の楽曲まで含む厚いカタログ需要が同居している状態です。

その意味で、米津玄師とMrs. GREEN APPLEを両端に据え、M!LKとHANAという前回の初出場組を中核に、=LOVEやなとりといった新顔を足していく——という構成が最も自然に見えます。読みどころは、Snow Manが戻るか、氷川きよしが正規枠に復帰するか、そして司会が二宮和也になるかの3点でしょう。

出場歌手の発表は11月中旬の見込みです。答え合わせは、そのときに。

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