木曜日, 9月 20, 2018

米国防総省クラウド入札の行方

少し前に話題になっていた、国防総省(DoD)のクラウド入札が再度記事になっていました。

ペンタゴンの100億ドル規模のプロジェクトJEDI(ジェダイ)が、クラウド企業たちを悩ます理由 TechCrunch 2018年9月19日
おそらくこれまでに、国防総省による「勝者総取り」の100億ドル規模の大規模なクラウド契約について耳にしたことがあるだろう。これは別名Joint Enterprise Defense Infrastructure(略称JEDI:ジェダイ)と呼ばれている。 
スター・ウォーズを連想させる名前はともかく、この契約は政府の基準に照らしてみても巨大なものだ。ペンタゴンは、単一クラウドベンダーがその組織クラウドを構築することを望んでいる。事の是非はさておき、彼らはそれこそがクラウド戦略に集中しコントロールをするための最適なアプローチであると信じているからだ。 
国防総省(DOD)のスポークスマンHeather Babbは、TechCrunchに対して、同省はこのやり方をとることに多くの利点を見ているのだと語った。「単一契約は有利です。なにしろ何よりもセキュリティを改善し、データアクセス性を改善し、そして国防総省がクラウドサービスに対して適応し利用する過程を単純化してくれるからです」と彼女は言う。 
この契約のために国防総省がどの企業を選択しようとも、これはコンピューティング基盤とその戦闘組織を、旧来の基盤もある程度取り込みつつ、IoT、人工知能、そしてビッグデータ解析の世界に向けて近代化することなのだ。「このDODクラウド・イニシアチブは、国防総省の情報技術体制の近代化に関わる遥かに大きな動きの一部なのです。この試みの基礎は、現在国防総省内にあるネットワーク、データセンター、そしてクラウドの数を合理化することです」とBabbは語る。
100億ドル規模なのに1社入札とは、かなり思い切ったことをしますよね。この入札結果で、クラウド事業者のパワーバランスが変わるかもしれません。
皮肉なことに、自身の過去のビジネスモデルにもかかわらず、Oracle は何よりもこの取引が、国防総省を長期間にわたって1つのプラットホームにロックインしてしまうことに不満を述べているのだ。またワシントン・ポストのレポートによれば、Oracleは入札プロセスが、この手の取引の調達規則を遵守しているかどうかに対して疑問を呈している。またBloombergによれば、4月には共同CEOのSafra Catzが直接大統領に対して、この取引はAmazonのために誂あつらえられていると不満を訴えたと言う。
このOracleの下りは本当にその通りだと思います。Oracleがロックインを語るとは…。何かの冗談な気もしますが、まあOracleも焦っているのでしょう。ロビー活動は得意そうなので、最後まで何か仕掛けてくるかもしれませんね。
国防総省は8月に最終入札を受け入れ、RFPへの最終締切を10月9日(米国時間)へと延長した。締め切りが再び延長されない限り、この先数週間のうちに、私たちは幸運な会社の名前を耳にすることになるだろう。そしておそらく決定の暁あかつきには、多くの泣き言が聞こえ、敗者たちからの様々な策が巡らされることになるだろう。
何がともあれ、来月10月には結果が分かりそうです。AWSありきの入札と言われてもいますが、どうなるのでしょうか。AWSが落札した場合、AWSの勢いが更に高まりそうです。

一方で日本政府はどうなのでしょうか?今年の年初の記事です。

政府が民間クラウド活用へ、システムの自前主義から脱却 日経 xTECH 2018/01/18
2017年5月時点で「民間のクラウドやサービスも活用する」としていたが、新たに利用ルールを整備して民間クラウドの活用を後押しする姿勢を鮮明にした。既存の政府クラウドである「政府共通プラットフォーム」も推進するため、民間クラウドは部分的な活用から始まりそうだが、遅ればせながらも前進といえる。
官公庁や自治体でもクラウドを導入している話が聞こえてくるようになりましたが、メジャークラウドも普通に使っているようです。コストを抑えながら最先端の技術を活用するという意味では、ベストな選択なのかもしれません。ただ、国の重要な情報やシステムには国産クラウドを活用して欲しい、という思いもあります。でも、規模やスピードでメジャークラウドに太刀打ち出来るサービスがないしなぁ、とも感じ、悩ましい限りです。

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