土曜日, 1月 26, 2008

「原田ウイルス」作成者逮捕

一般紙でも報じられているので既に多くの人が知っていると思うのですが、「原田ウイルス」の作成者が逮捕されました。ウイルス作成者の逮捕は国内初なのですが、罪状は著作権法違反容疑だそうです。日本にはウイルス作成罪がないですからね。
<コンピューターウイルス>作成者、国内で初逮捕 京都府警 毎日新聞 2008年1月24日
同級生の画像悪用=「原田ウイルス」作成も認める-逮捕の大学院生・京都府警 時事ドットコム 2008年1月24日

ちなみに、ウイルス作成罪は2004年に国会に法案が提出されましたが、「共謀罪」議論のために現状では成立していません。以下のリンクの、「平成16年2月20日 犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案」の中にウイルス作成罪が含まれています。
第159回国会(常会)提出主要法律案

さて話を戻して、そもそも原田ウイルスとはWinnyなどのファイル共有ソフトを媒体として感染するウイルスです。感染すると画面に絵やメッセージが表示され、ファイルを勝手に削除したりするようです(色々と亜種もいるようなので、やることはそれぞれでしょうが)。この、感染時に表示される絵というのが、原田という実在の人物の写真や、アニメの画像だそうで、逮捕理由の著作権違反はこの「アニメの画像を勝手に利用し、配布した」という部分だそうです。原田ウイルスについての詳しい情報は、以下のサイトを覗いてみてください。特に、トレンドのブログは詳しいと思います。
原田ウイルス Wikipedia
「原田ウイルス」について Trend Micro Security Blog 2008年1月25日

今回の逮捕は、著作権違反ですからどのくらいの罪になるのでしょうか?しかし、警察としても今回の逮捕の罪状が著作権違反というのは歯がゆいのでしょうね。またウイルス作成罪議論が熱くなるかもしれません。

【追記】
高木先生も、早速ウイルス作成罪についてコメントされていました。
「ウイルス作成罪」はこうしてほしい / 国会提出刑法改正案の趣旨 高木浩光@自宅の日記 2008年1月26日

うーん、それにしても法律の言葉は難しいです。高木先生は解釈について沢山述べられていますが、個人的には結局勢いで成立させ、詳細な解釈については裁判で争うということになったりするのではないか、と思ったりします。
2008年1月28日

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